堺ブレイザーズ、ファン獲得のための新たな試み=地域密着型クラブとしての挑戦(2)
地域密着型クラブとしての残された課題
「この間、堺駅の駅ビルの中ですれ違った人が、僕を見て『大きいね、何のスポーツだろうね』って話している声が聞こえてきたんです。チーム名に都市名も入っているのに、その地元ですらブレイザーズというチームがあることが、まだ十分には知られていない。
ショックでしたよ。まずはこの土地でブレイザーズが活動していることを知ってもらいたい。そのためには、駅でチラシを配るとか、近くの商業施設でホームゲームの宣伝をするとか、やれることはたくさんあると思うんですよね。これからも、自分にできることは何でもするつもりです」
もちろん、横田が指摘したように地域密着型クラブとしての課題はまだまだ残されている。しかし大切なのは、こうしてクラブに携わるものが選手、スタッフという垣根を越えて、一緒に問題意識を持ち続けることではないだろうか。清川は最後にこう言った。
「ブレイザーズスポーツクラブにとっていちばん大きな収穫は、選手の成長だと思います。選手から企画書が提出されたこともそうですが、うちの選手は本当にクラブの事情をよく理解してくれています。ブログにしても、広報活動にしても、クラブ側としては選手に本業以外のことで、なるべくなら負担をかけたくない。でも今、うちの選手は誰ひとり、わたしたちの要望に対して『ノー』と言いません。10年やってきた今、やっとクラブ側と選手側、両輪がうまくかみ合ってきているんじゃないかと感じますね」
3月16日から岩手で開催されるセミファイナルラウンド、そして25日に東京で行われる優勝決定戦で、ブレイザーズはクラブ化して初となる連覇を目指す。コートに立つ者だけではなく、クラブに関わる人それぞれの奮闘を集約した、今シーズンを締めくくる最後の4試合に注目したい。
<了>