石井宏樹、王座防衛で歴史的偉業!「日本人の底力」でムエタイ500年史に新たな足跡=MAGNUM 28

t.SAKUMA

外国人王者初の王座防衛を成し遂げた石井宏樹 【t.SAKUMA】

 新日本キックボクシング協会「MAGNUM 28」が11日、東京・後楽園ホールで開催された。昨年10月に外国人王者として5人目となるムエタイ二大殿堂の王者となったラジャダムナンスタジアムS・ライト級王者の石井宏樹(藤本ジム)が、ゲーンファーン・ポー・プアンチョン(タイ/同級4位)を相手に初防衛戦を行い、5R判定で王座を防衛した。昨年、王座戴冠の試合では外国人として初となる“KOより難しい”判定勝利で王座を奪った石井だが、今回はムエタイの歴史上、外国人王者初となる王座防衛を成し遂げ、ムエタイ500年の歴史に新たな足跡を残す偉業を成し遂げた。

「日本人の底力」を見せた、初の歴史的快挙!

【t.SAKUMA】

 3月11日。「日本人の底力を見せないといけない日。戦う姿を見て何かを感じて欲しい」と石井はこの日にかける思いを口にしていた。
 
 午後8時ちょうど、入場曲が流れると石井は南側の客席階段からジムの練習仲間を従え入場。初防衛戦の相手となるゲーンファーンは、日本人選手が最も苦手な首相撲を得意とする選手だ。先に入場したゲーンファーンは、初となる異国でのリングにやや緊張気味か、静かに石井を待つ。

 試合前、石井陣営は「後半になると(相手は)首相撲でくる」と予想。ならば、後半の対応しづらい首相撲勝負になる前にポイントを稼いでおきたいところだが、「ムエタイは序盤にはポイントがなかなか動かない(獲りにくい)」こともあり石井にとっては試合運びが難しい一戦となる。

「手応えがありすぎた」パンチ

石井(左)がパンチで追い詰める場面も何度かあった 【t.SAKUMA】

 試合が始まると口火を切ったのは石井の左ローキック。さらに、左右のローキックで前にでる石井だが、ゲーンファーンは石井が前に出る分、後ろに下がるムエタイスタイルで対抗する。互いにまだ様子見の段階ながらも、両者ともにパンチと蹴りを交差させる。

 石井をコーチするムエタイ5冠王のジャルンチャイは「石井のパンチがあたればダウンもとれる」と試合前に語っていたが、そんな場面が早くも訪れる。2R開始直後、石井が右ストレートから左フックへとパンチをつなげるとゲーンファンは腰を落として後退。ここで、一気に石井は間合いを詰めパンチのラッシュ。「序盤のパンチは手応えがありすぎた」という石井は力みすぎたか、ゲーンファンはクリンチでこの危機をなんとかしのぐ。
 しかし、これでゲーンファン石井のパンチを危険と悟ったか、このあと間合いを詰めて首相撲への入りが早くなる。

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