石井宏樹、王座防衛で歴史的偉業!「日本人の底力」でムエタイ500年史に新たな足跡=MAGNUM 28
相手の首相撲を完封
徹底した対策でゲーンファーン(奥)の首相撲を防ぐ 【t.SAKUMA】
それでも4R終了時点のインターバルでは「イーブン」とみていた石井陣営。一方のタイ陣営も勝負は捨てず、最終ラウンドもゲーンファンはミドルから首相撲への展開を執拗(しつよう)に狙っていく。しかし石井もミドルを蹴り返し、首相撲では相手をロープに押し込むことでペースを渡さない。試合は前回の王座戦に続き、再び判定決着へ。ジャッジ三者はともに49−47で石井を支持。王座戦2度目となる“価値ある”判定勝利で、ムエタイ史上初となる外国人王者防衛を成し遂げた。
「生きたくても生きられない人がいる」なかで
試合後、「次戦はラジャで」とタイでの試合を希望した 【t.SAKUMA】
控室に戻った石井は苦笑いで「ちょっとフライングしてしまいました」と、タイでの防衛戦が現時点では未定であることを明かしたが、気持ちはすでにムエタイの殿堂ラジャダムナンスタジアムだ。今回防衛したことで「タイ側も黙っていないでしょうね」と、タイ陣営が本格的な石井狩りに乗り出すのは想像に難くない。石井がラジャダムナンスタジアムに乗り込むならば、タイ陣営もこれまで以上に国技のプライドをかけてくるだろう。
会場入り前には震災のテレビ特集を「目を背けず」に見ていたという石井。「生きたくても生きられない人がたくさんいるなかで、目標を持って生きられる」という幸せをかみしめながら後楽園ホールへ向かったという。「日本人の底力」を見せるという目標を達成した石井は、新たな目標を見据え、頂点のさらにその先へ歩みを進める。
■新日本キックボクシング協会「MAGNUM 28」
3月11日(日)東京・後楽園ホール
<第12試合 ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級タイトルマッチ 3分5R>
[王者]○石井宏樹(藤本)
(判定3−0 49−47 49−47 49−47)
[挑戦者]●ゲーンファーン・ポー.プアンチョン(タイ/同級4位)
<第11試合 日タイバンタム級国際戦 3分5R>
○江幡 塁(伊原道場/日本バンタム級王者)
(4R0分50秒 KO ※右ストレート)
●ペッダム・チューワッタナ(タイ)
<第10試合 日タイミドル級国際戦 3分5R>
○喜多村 誠(伊原道場/日本ミドル級王者)
(3R0分23秒 TKO レフェリーストップ)
●ベッカーセーム・ユタギ(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級3位、フェザー級5位、ライト級8位)
<第9試合 日本フェザー級 3分3R>
○内田雅之(藤本/日本フェザー級王者)
(判定3−0 29−25 30−25 29−25)
●拳士浪(治政館/同級4位)
<第8試合 日本ライト級>
●松本芳道(八景/同級3位・元同級王者)
(判定0−3 29−30 29−30 29−30)
○ジョニー・オリベイラ(ブラジル/トーエル/同級10位)
<第7試合 日本ウェルター級>
○渡辺健司(伊原稲城/同級1位)
(2R0分43秒 TKO ドクターストップ)
●竹若佑輝(八景/同級3位)
<第6試合 日本ライト級>
○翔栄(治政館)
(判定2−0 30−29 30−28 30−30)
●木村旭洋(伊原道場)
<第5試合 日本ウェルター級>
○大槻翔太(伊原道場)
(1R1分40秒 KO)
●竹本雄一(小鉄組)
<第4試合 日本バンタム級 3分2R>
○海彦(伊原道場)
(判定3−0 20−19 20−19 19−19)
●舜・センチャイジム(センチャイジム)
<第3試合 日本フライ級 3分2R>
○重森陽太(伊原稲城)
(判定2−0 20−19 20−19 19−19)
●奥脇一哉(はまっこムエタイ)
<第2試合 日本フェザー級 3分2R>
△麗也(治政館ジム)
(判定0−0 19−19 19−19 19−19)
△茂木宏幸(藤本ジム)
<第1試合 日本ライト級 3分2R>
△KAZUMA(揚心ジム)
(判定0−0 19−19 19−19 19−19)
△エージェント木村(野本塾)