ラーゲルベック監督「日本には強みがたくさんある」=試合後、アイスランド代表監督会見
敗れたアイスランドのラーシュ・ラーゲルベック監督は「日本のような大変優れたチームと対戦することで、チームの力をテストできたのは意義がある」とこの試合の意味を強調。日本については「強みがたくさんあるので、ワールドカップ予選も必ず突破できると思った」と高く評価した。
前半20分までのパフォーマンスにはやや失望している
――結果に失望しているようだが、今回は監督にとっても初陣であり、ハーフタイムで立て直した。どう評価するか?
とても重要な試合だった。経験をあまり積んでいない若手の選手もいた。経験を積む、これほど観衆が多い中で試合をする。そして技術的に優れた相手と対戦する。経験を積むことで、こうした場面に遭遇した時に、チームとして個人として何をすべきかを彼らは学べたと思う。また、逆に自分たちが試合が勝っているときだったら、どういう対処をすべきかということも学ぶことができたと思う。
――CKの守備ではゾーンで守っていたと思うが、かなり見慣れない守備だった。狙いは何だったか?(大住良之/フリーランス)
基本的には、選手が自信を持って試合運びができるように、ということで守備の仕方を考えるわけだが、ゾーンの場合、ボールに集中しやすいというメリットがある。選手1人ひとりがチェックに入るということではなく、ボールに集中できる。今回は経験上、守備はゾーンがいいと判断した。ただゾーンには不利な点もあるし、FKの時にはラインの設定が攻撃的過ぎていた。それでも、ボールに集中しやすいし仕掛けやすい、さらに守りやすさという意味でゾーンを選択した。
――日本は技術的に優れていたということだが、それ以外に日本についてコメントしてほしい(湯浅健二/フリーランス)
今日の試合で、日本の印象を再確認できた。これまでも対戦するたびに、日本は個人技でもパッシングゲームでも優れていて、なおかつスピーディーであると感心していた。今日もそれを確認することができた。90年代の日本代表を思い返すと、守りは良くなっている。さらに90分間走り続けることができ、非常に素早くパスを回し、個人の技術も上がっている。その意味で、日本には強みがたくさんあるので、ワールドカップ予選も必ず突破できると思った。
日本は個人技も全体としても優れている
ある意味、あれは武器になると思うし、観客が盛り上がってくれればなおいい。最も期待しているのは、一番いいコースにボールが入り、ゴールチャンスが生まれることだ。そのためにやっていることであり、そこで歓声が沸いて、観客が気に入ってくれるのであれば、なおいい。日本の観客は趣味がいいので、気に入ってくれたのだと思う(笑)。
――CKでゾーンでの守備の仕方はオリジナルなのか?(田村修一/フリーランス)
アイスランドでは初めてだが、以前、指揮を執っていたスウェーデンでもナイジェリアでもゾーンをやっていたし、マーキングとのコンビネーションもやった。今回は初陣ということで、ゾーンがどれだけできるのか試す意味も含めてやってみた。やはり守備としてはいい方法だと思う。ボールにフォーカスできるし、選手についていかず、ボールに集中することができるからだ。
――スマウラソンの評価とコメントを(宇都宮徹壱/フリーランス)
彼は若くて今後が楽しみな選手だ。攻撃が好きで、自分から仕掛けていくので、対戦相手にとって対処しにくい選手だと思う。今日に関しては、ボールを奪われ過ぎていたが、それでも将来性は感じられた。
――対戦してみて、日本の選手で印象に残っているのは?
その質問には答えられない。わたしにとってアイスランドは新しいチームなので、対戦相手にまで集中できなかったからだ。ただ全体的に言えるのは、日本はMFだろうがFWだろうがDFだろうが、ポジションにかかわらずそれぞれが高いスキルとスピードがあり、ボール扱いにも優れ、守備でも攻撃でも1対1でも、非常にいいプレーをしている。個人技も優れていると思ったが、特に優れている選手ということで名前を挙げることはできない。全体として優れていたが、わたしは自分のチームに集中していた。
<了>
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