川崎宗則のユニークなMLB挑戦=メジャー昇格、レギュラー獲得の条件とは!?
レギュラー争いのライバルたち
レギュラーとして食い込む余地があるとしたらサードということになるが、現時点では、ショーン・フィギンス、カイル・シーガー、アレックス・リディという3人のライバルがいて、契約的にはフィギンスが有利。まだ2年も契約が残り、チームとしては昨年からトレードを模索しているが、引き取り手がいないだけに、もう一度チャンスを与える可能性が高い。
うまくフィギンスをトレードできたとしたら、シーガー、リディとの争いだが、リディはまだ、走攻守すべての面でメジャーのレベルではない。確かにフル出場すれば本塁打を20本程度は打てそうだが、打率は良くて2割3〜4分だろう。
となると、シーガーとの一騎打ちとなるが、昨季途中でレギュラーに抜てきされた彼は、うまく行けば打率2割7〜8分は残せると見られている。守備は平凡だがマイナーでの実績は十分で、メジャーに昇格してもある程度のポテンシャルを示した。
それを考えれば、キャンプで川崎が明確にシーガーよりも上であることを示す必要があり、短い期間でそれがどこまで可能か、ということになろう。
もちろん、フィギンスが残留するなら、今度はシーガーと控え内野手の枠を争うことになる。シーガーの本職は二塁。昨季途中からショートの練習も始めており、役割が川崎と似ている。
キャンプで結果を出すことが重要
こういう状況で川崎がレギュラーを獲得するとしたら、誰かがトレードされる必要があるが、そのためには川崎がメジャーで通用することを証明するのが先で、結局はキャンプで結果を出すことが前提となる。
なお、川崎獲得に関して地元メディアの反応はおおむね好意的で、ある程度の実績を持っている日本人選手がマイナー契約でもいいなんて、冗談だろ? という見方もあった。
また、イチローにも良い影響を与えるかもしれないという指摘もあり、川崎に対する期待は低くない。ただし、川崎が身を置こうとしている状況は、将来の戦力も含めて冷静に伝えており、そのあたりはドライである。
いずれにしても川崎の、例を見ないユニークな挑戦が始まった。
<了>