目指せお笑いプロレス界のレジェンド――アントニオ小猪木&長州小力

長州さんには親代わりになって大地を鍛えてほしい

長州は確執があったとされる橋本真也の息子・大地と対戦 【t.SAKUMA】

──その選ばれし者たちが集う『レジェンド』なんですけど、新春一発目の興行も注目カードが組まれました

小力 長州力vs.橋本大地! これは凄いなぁ。

小猪木 長州さんの試合に関しては二つ想像できるんですよ。とにかく大地に10分ぐらい攻めさせる。「もっと蹴ってこい! 親父の蹴りはそんなもんじゃなかったぞ!」っていうぐらいのことを言いながらね。あるいは長州さんがワンサイドで終わらせる。3分ぐらいで肩振って、リキラリアット一発で終わらせて汗もかかずに帰っていく。この二つに分かれますね!

小力 初対決でしょう? ということは長州さんはボッコボッコにすると思うな。というか、してほしいですね。やっぱり偉大な親父の子供だからみんな期待するし、そのプレッシャーたるや大変じゃないですか?

小猪木 多分、武藤さんや蝶野さんとは違う圧力を感じながら大地は闘うんじゃないですかね?

小力 だから、長州さんのヘッドバットが出るかもしれない、あの安生戦で出した。

──Uインターとの対抗戦が行われた1995年の10.9東京ドーム大会の試合ですね

小力 俺、あれが好きなんですよ(笑)。

小猪木 まあ、大地も親の七光りでチヤホヤされているからね。

小力 また、偉そうに言うね(笑)。

小猪木 いや、そこで長州さんには親代わりになって大地を鍛えてほしいんですよ!

──なるほど。長州vs.橋本は90年代の新日本プロレスで何度もやりましたけど、何か思い出はありますか?

小力 僕の芸人としてのボケでは「なにコラ、タココラ!」が頭をよぎりますけど。

──2003年の暮れに起きたコラコラ問答ですよね(笑)

小力 でも、それは置いといての話になるんですよ(笑)。そうだな、やっぱり長州さんが片ヒザついているところに橋本真也が蹴りをぶち込んで、それを耐え抜いてラリアットでなぎ倒す。それを強引に橋本が垂直落下式のブレーンバスターにいくみたいな。そればっかのイメージですね。だから、試合っていうよりもケンカですよね。殴って蹴ってだから。

小猪木 この二人の試合では技はあんまり出てないですよ。蹴りvs.殴ってラリアットって感じですから。

小力 ゴツゴツした試合のイメージが凄いありますよ。橋本真也にはやられて鼻血出して、フラフラになりながらも勝って、汗でビショビショみたいなイメージがありますからね。大地はまだそういうふうにはならないと思うんですけど。

小猪木 藤波さんが腰を負傷して、長州さんが一本柱で闘魂三銃士と闘っている時は面白かったですね。あの時は長州さんに感情移入しちゃいましたもん。とにかくこの3人をまとめてやっつけてほしいってね。でも、そこで立ちはだかるのが橋本真也だったんですよ。

──三銃士の中で長州さんと一番やり合ったのが橋本さんでしたよね

小力 うちでハチミツ真也が試合をする時は、セコンドから「ちんた! ちんた!」って言うんですけど、お客さん誰もわからないんですよ(笑)。

──長州さんは橋本さんのことを「ちんた」って呼んでたんですよね(笑)

小力 そういう断片的な記憶が蘇ってきますけどね、このカードからは。どうなるんだろう? でも楽しみだな、これは。

──大地選手の試合はご覧になったことはあります?

小力 僕はまだないですね。

小猪木 僕もないですけど、記事では見てますね。あと、僕は結構会うんですよ。

小力 ああ、そう。

小猪木 なんかしらで会うことが多いんですよ。

小力 向こうが来るみたいな言い方しているけど、こっちから行っているんだろう?(笑)。

小猪木 まあね。でも、応援していますけど、大地の時代が来るのは今じゃないと思うんですよ。10年後とかでも15年後とかでもいいと思うんですよ。その時こそ、「時が来た!」になると思うんですけど。

小力 でも、プロレス界で天下取った人の息子じゃないですか? それがまたその上の世代のレジェンドたちと揉み合う。またこれででかくなるんでしょうね。

小猪木 いや、ホントにいい経験にしてほしいですね。

小力 それできっと小猪木さんが言っているように10年後、15年後に日本を背負って立つようなレスラーになっていくんだろうな。僕らはそのプロセスを見られるんですよね。橋本大地という選手がどういう強いプロレスラーになっていくのか? そう考えるとこの試合は見逃せないですね。だから、レジェンドたちのプロレス界に対する貢献度は凄いんですよ。

小猪木 あとね、藤波さんと藤原さんのタッグマッチも注目カードですよ!

──藤波&長井満也組vs.藤原喜明&石川雄規組ですね

小猪木 ドラディション対藤原組ですからね! ワクワクするな! それから、タイガーマスクvs.エル・サムライですよ! 華麗なるタイガーマスク対受け身の天才サムライ。獣神サンダー・ライガーのライバルですからね、サムライは。

小力 サムライは受けが強いっていうか、どんな攻撃にも屈しないよね。だから、ちょっとそこを見せてもらいたいですね。サクっとやられちゃうとまた「サムライ……」ってなっちゃうけど(笑)。

──凄い体をしているわけじゃないんですけど、スタミナとか凄いですよね、サムライさんは

小力 凄いですよ。筋肉隆々じゃないけど、オリジナリティーあるレスラーですよね。

小猪木 ちょっと、これも凄いカードじゃないですか!? えべっさんvs.菊タロー! 初対決ですか?

──いや何度か絡んだことはありますね(笑)

小猪木 これ、菊タローは元えべっさんだから、えべっさん対決でしょ?

──そうです。因縁の対決です(笑)

小猪木 いや、これは楽しみだわ!

小力 そこに目が行くか(笑)。でも、この二人も凄いなって思うんですよ。菊タローさんって結構ウェイトあるじゃないですか? でも、動きますよね。

小猪木 動くねぇ。

──なにげにムーンサルトとかやりますもんね

小力 うん。だから、身体能力が異常に高いですよね。ちゃんとレスリングするしね。だから、あと食生活考えればもっと凄くなるんじゃないですか?(笑)。でも、あれが味だよね。真剣なところにこういう試合があるところがプロレスの奥深さというか。

──そういう意味では初代タイガーの佐山さんも体型は全盛期と全然違っちゃいましたけど、動きは変わらないですよね

小力 動き戻ってない?

小猪木 一瞬一瞬の動きは凄いよ!

小力 だから、感覚が衰えてないっていうか。体は確かに大きくなりましたけど、切れ味は流石ですよね。

──そうですよね。さて、楽しみは尽きませんが、最後に『レジェンド』で期待することを一言ずつお願いします

小猪木 やっぱり元気でいて、プロレス界の高い壁でいてほしいなっていう思いがありますね。あと僕らもレジェンドレスラーを見習って、お笑いプロレス業界のレジェンドになることを目標にしていきたいと思います。

小力 やっぱり、時代の移り変わりは早いけど、どっしり構えて行ってほしいですね。毎月興行を打たなくてもいいじゃないですか? 何カ月に一回でもいいから、一瞬の迫力を見せてくれたら僕はうれしいですね。

小猪木 あとはドンドン継承していってほしいですね。

小力 いいレスラーはいっぱいいるからね。またそこに歴史を重ねていってほしいですね。

小猪木 あと、このお三方だけじゃなく、新間寿さんしかり! そういう方々もレジェンドなんですよ!

小力 そこは一応レスラー限定にしとかなきゃ(笑)。

──でも、新間さんのあの知恵も継承していってほしいですよね(笑)

小猪木 そうなんですよ! 仕掛け人がいてほしいですね。だから、マイク・タイソンにはドン・キングがいて、アントニオ猪木には新間寿がいる。こういうところも今のレスラーには全て継承してほしいですね!

小力 これで猪木さんが復活してリングに上がってきたら凄いことになるんだろうね(笑)。グッチャグッチャになって。

小猪木 猪木さんにはもっと怒ってほしいですね。猪木さんは「我々は怒りを表現する職業だ」ということを言っていたんですよ。そういう意味では長州さんも組長も佐山さんもみんな怖いですから。

──皆さん、怒りがありますよね

小猪木 はい。だから、その対極を我々が行くというね。

小力 笑いの中にも怒りを表現していきますよ!

●アントニオ小猪木
アントニオ猪木を心から尊敬し、猪木の試合運びのモノマネを得意とする「小さな闘魂」。お笑いプロレス団体・西口プロレスを主戦場にテレビ等でも活躍している。得意技は小卍固め、延髄切り、小インディアンデスロック、小コブラツイスト。

●長州小力
長州力のモノマネでお茶の間にも一躍ブレイクした「革命閣下」。お笑いプロレス団体・西口プロレスでの小猪木との闘いは「名勝負数え唄」と呼ばれている。得意技はサソリ固め、小力ラリアット、小太鼓乱れ打ち、小力パラパラ。

■LEGEND THE PRO−WRESTLING 2012
2012年1月8日(日)東京・後楽園ホール 開場11:15 開始12:00

【対戦決定カード】

<メーンイベント 第6試合 タッグマッチ 60分1本勝負>
藤波辰爾、長井満也
藤原喜明、石川雄規

<セミファイナル 第5試合 シングルマッチ 60分1本勝負>
長州 力
橋本大地

<第4試合 シングルマッチ 45分1本勝負>
初代タイガーマスク
エル・サムライ

<第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
田中将斗、石井智宏
本間朋晃、アレクサンダー大塚

<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
ヒロ斉藤、ベアー福田、倉島信行
スーパー・タイガー、タイガー・シャーク、間下隼人

<第1試合 新春!お年玉マッチ 30分1本勝負>
菊タロー
えべっさん

お問い合わせ:LEGEND THE PRO-WRESTLING実行委員会 03-5951-1488

“世の中とプロレスするひろば”
『KAMINOGE』(かみのげ)創刊!!
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[巻頭スペシャルインタビュー]
2011年の甲本ヒロト
「僕が一番怖いのは、バチが当たること。幸せすぎる人に与えるバチというものがあるとし たら、それだけは当てないでほしいの。幸せのまんま放っといてほしい」

桜庭和志
「問題の“カブラル”戦、そして今後について語る」

LEGEND対談 “上野毛道場をまたいだ男達”
藤波辰爾×長州力×初代タイガーマスク
「来年は下関市役所の職員全員が、タイガーマスクをかぶって仕事するから」(長州)

ほか、所英男と語る 『元気ですか!! 大晦日!! 2011』 座談会、快楽亭ブラックが語る「立川談志」、ザ・ グレート・サスケ「岩手県議選に再出馬も落 選!」、マッスル坂井・坂井良夫「新潟在住・坂井 親子が育児を語る」、吉田豪が角川春樹氏の娘に迫る、田村潔司×山口日昇など、盛りだくさんの内容です!

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