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サントスはバルセロナ対策に3−5−2を採用か
柏戦で露呈した左サイドの守備改善を狙う

ベテランのレオ起用と得意のシステム

サントスは準決勝で柏に勝利したものの、守備に課題を残した。その改善策としてラマーリョ監督は3−5−2への変更を考えている
サントスは準決勝で柏に勝利したものの、守備に課題を残した。その改善策としてラマーリョ監督は3−5−2への変更を考えている【写真は共同】

 サントスはバルセロナとのクラブワールドカップ(W杯)決勝に備え、システム変更を行う可能性が出てきた。これは準決勝の柏レイソル戦での反省を踏まえたもので、ラマーリョ監督は柏戦後に「今日の守備をやっていてはバルセロナに勝てない」と話していたことから、どうやら課題解決へ本格的に着手するようだ。


 柏戦は4−4−2で戦ったが、バルセロナ戦では3−5−2で挑むかもしれない。というのも、そもそもラマーリョ監督が得意とするシステムは3−5−2であり、かつて3年連続でブラジルチャンピオンに導いたサンパウロ時代にはこの布陣を起用していたのだ。バルセロナの攻撃を封じるにはこのままではいけない。何か策を打つ必要がある。その答えが自身が得意とする3−5−2というわけだ。


 切り札となるのはラマーリョ監督が信頼を寄せるベテラン、左サイドバックのレオ(元ブラジル代表)。2000年にサントスに加入し、躍進に大きく貢献してきた。02年、04年にはロビーニョ(現ミラン)らとともに2度のブラジルチャンピオンに輝き、10年にはコッパ・ド・ブラジル、サンパウロ州リーグ連覇(10年、11年)と数々のタイトル獲得に尽力してきた。しかし、今大会は右ひざの故障もありスタメンから外れ、柏戦はベンチから戦況を見守るしかなかった。


 レオは今大会前、「試合に出られる状態になりたい。スタメンが無理なら、いつでもムリシー(ラマーリョ監督)が必要としてくれる時のために、チームの一員として準備している。バルサは無敵のチームと言われているが、ひとたびボールが転がり始めたら、ピッチにいるのは11人対11人。サッカーはマジックだ。不可能はない」と意気込みを語っていた。そして、レオが必要とされる時が来た。


 柏戦で左サイドバックに起用されたドルバルは酒井宏樹に散々にしてやられた。本職がセンターバックなのだから致し方ないとはいえ、ラマーリョ監督はとてもではないが、バルセロナに立ち向かえないと判断したのだろう。仮に4−4−2のままでドルバルをセンターバックに戻し、左サイドバックに本来のレオを起用したとしても、彼が100%の状態ではないからまだ心もとない。そこで3バックにして守備を固める、左サイドはレオ+もう1人で構えれば、ダニエウ・アウベス対策として数的優位を保つことができる。

勝負はボールが転がり始めてから

 ラマーリョ監督が実際にどの策を取るかはふたを開けてのお楽しみだが、サッカーとは常に何が起こるか分からないもの。1992年のトヨタカップ(クラブW杯の前身)では、サンパウロが下馬評を覆してバルセロナに勝利した。また前回大会では、インテルナシオナルが圧倒的有利と言われながらも、準決勝でアフリカ代表のマゼンベにあっさり敗れた。


 今回も単純に考えれば、バルセロナの方が優勝の可能性は高い。アルサッド戦で左足を骨折したビジャを欠くとはいえ、それがサントス有利に働くとは限らないだろう。だが、勝負はボールが転がり始めてからだ。


 柏戦でゴールを決めたボルジェスは下馬評をものともせず、「チャンピオンになる準備はできている」と力強く語る。

「僕たちは優勝するためにここに来ているんだ。クラブの歴史のために、自分のサッカー人生をかけてでもこのタイトルを取りたい。サントスが今年サンパウロ州選手権(6部リーグまである激戦リーグとして名高い)とコパ・リベルタドーレスで見せたサッカーをできれば、きっと優勝できるはずだ」


 ボルジェスはバルセロナ戦を観戦した後、サントスが取るべき道を再確認した。

「サントスは攻撃をするしかない。引いて守るサッカーをすれば、戦わずしてバルサに勝利をプレゼントするのと同じこと。サントスらしいサッカーでベストを尽くせば、きっと勝利につながる」


 そして、本国ブラジルでもサントスの3度目の世界制覇を信じている人たちがたくさんいる。サントスの本拠地、ビラ・ベウミーロ・スタジアムに巨大モニターを設置し、みんなでチームを応援しようとしているのだ。また、サントスに隣接するサンビセンテ市では、ビーチに特設会場を作って観戦の準備を進めている。サントスファンの熱い思いが地球の反対側に届くことを願って……。


<了>

大野美夏

ブラジル・サンパウロ在住。サッカー専門誌やスポーツ総合誌などで執筆、翻訳に携わり、スポーツ新聞の通信員も務める。ブラジルのサッカー情報を日本に届けるべく、精力的に取材活動を行っている。特に最近は選手育成に注目している。忘れられない思い出は、2002年W杯でのブラジル優勝の瞬間と1999年リベルタドーレス杯決勝戦、ゴール横でパルメイラスの優勝の瞬間に立ち会ったこと。著書に「彼らのルーツ、 ブラジル・アルゼンチンのサッカー選手の少年時代」(実業之日本社/藤坂ガルシア千鶴氏との共著)がある。

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