“エース”の仕事をやり遂げた小林可夢偉=F1フル参戦2年目の軌跡
順風満帆だった序盤戦だが
“エース”の仕事をやり遂げ、チームに貢献した小林可夢偉 【Getty Images】
こうした快進撃の過程で、可夢偉は佐藤琢磨が保持していた日本人F1ドライバーの獲得ポイント記録である「44ポイント」を更新するとともに、日本人F1ドライバーの連続入賞記録「4」も凌駕(りょうが)。最終的に可夢偉は自己の総獲得ポイントを「65」にまで伸ばすこととなった。シーズン前半の可夢偉は文字通り記録的な、“レコードブレイカー”としての活躍を見せた。
苦境から脱したラスト2戦の経験を来季へ
だが、終盤2戦でペレスがノーポイントに終わったのとは逆に、可夢偉はアブダビ、ブラジルで3ポイントを獲得、トロ・ロッソとのランキング争いに勝つ原動力となった。チームにとって重要なこのランキング争いに、自らの手で決着をつけた可夢偉は、チームの期待通りの“エース”としての仕事をやり遂げたと言っていいだろう。
このラスト2戦を踏まえて臨むオフ、そして来季。ザウバーで3年目を迎える可夢偉にとってこの2戦は、流れ、チーム内の雰囲気、自身のモチベーションすべてにおいてプラスに働くはず。今季苦しみを味わったからこそ、来季の可夢偉には期待できる。その兆しが、ラスト2戦だったと思いたい。あとは、ザウバーのニューマシンがさらに上位陣に肉薄できるだけのパフォーマンスを備えたものであることを祈るだけだ。
<了>