カルトロン監督「松井はチームに多くのものをもたらす」=ディジョンの指揮官が語る日本人MFの評価

松井について「チームに多くのものをもたらしてくれると思っている」と語ったディジョンのカルトロン監督 【TV5MONDE Japon】

 松井大輔が今夏に加入し、日本でも注目を集めるようになったディジョン。今シーズン、クラブ創設以来初となるリーグアンに昇格すると、ここまで3勝2分け5敗とまずまずの健闘を見せている(10月22日時点で暫定13位)。そのディジョンを指揮するのがパトリス・カルトロン監督だ。松井の移籍が実現したのもカルトロン監督自身が獲得を希望したためだという。パリ・サンジェルマン(PSG)戦を翌日に控えた22日、指揮官に松井の評価や試合への意気込みを聞いた。

松井には2つの問題がある

――現在のチームについての評価は?

 ディジョンは今季、下部リーグから上がってきて、若い選手が多いチームだ。ビッグクラブのような資金力もない。そのようなチームが現在のポジションにいることを、わたしはある程度評価している。しかしまだ、かなり粘り強さが欠けている。経験が足りないからだ。試合に勝利することはできるが、一方で大量失点することもある。(第10節の)モンペリエ戦では、2−0から追いつかれ、結局3−5で負けた。モンペリエは現在2位のチームだが、われわれはもっとうまく戦えたはずだ。

 面白い統計が出ている。われわれは前半戦のスコアではリーグアン1位で、後半戦はリーグアンで最下位なんだ。この結果を見ると、選手たちは大変良いプレーをしているが、経験不足から、後半戦では冷静に試合を操作できないと言える。

――今季から加入した松井について、どう評価しているか?

 まず、ダイ(松井の愛称)はわたしがこのチームにぜひ来てほしいと思った選手だ。彼のテクニックと成熟した経験が、チームに多くのものをもたらしてくれると思っている。シーズン初めから彼には2つの問題がある。1つめは、シーズン開始時にフィジカル的に準備ができていなかったこと。グルノーブルから移籍する書類手続きの問題で、われわれのチームに合流することができず、準備が遅れてしまった。

 最近では非常に期待できるプレーをしていたが、残念ながら(10月1日の)アジャクシオ戦で足首をけがしてしまい、今もまだ少し痛みがあるようだ。これが2つめの問題。無理はさせたくないので、現在試合には出していない(PSG戦の遠征メンバーからも外れている)。とにかく、わたしは彼が今シーズン、多くのものをチームにもたらしてくれると確信している。

毎試合、生き残りを懸けて戦っている

――松井のけがの状態は?

 足首のけがは良くなっている。しかし、かなり当たりが激しかったのが問題だ。走ることはできるし、ほぼ通常通りにトレーニングもできる。しかし、触るとかなり痛いようだ。彼が感覚的に完治したと確信し、自信を持ってプレーできるようになることが大切で、痛みがあるうちはプレーはさせられない。

――今週は2戦連続でPSGと対戦する(23日にリーグアン、26日にリーグカップ)

 選手たちにはゲリラ隊のスピリットで臨むよう言っている。今週の目標としては、早いうちに点を取ること。特に、若いチームがパリのパルク・デ・プランス(PSGの本拠地)に出掛け、喜んで写真撮影だけして帰ってくるということがないようにしたい。PSG戦に限らず、毎試合、われわれは生き残りを懸けて戦っている。この試合は“生きるか死ぬか”の戦いなのだと常に思って臨んでいるのだ。

 例えば、「明日PSGと戦う試合が今シーズン最後の試合で、この試合で引き分け以上の結果を出さなければ、再び2部リーグ落ちしてしまうのだ」と言い聞かせるんだ。常にこのスピリットで試合に臨むことが重要と言える。特に、PSGのようなチームが相手の場合は、このような意識を持って戦うことがベストな方法だ。相手を混乱させるためにも、自分たちの存在意義を高めるためにも、モチベーションを上げるためにもね。そうすることで、目の前の敵に感嘆することなく戦える。

<続きは、TV5MONDE Japonホームページで>

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