コパ・アメリカ開幕直前、この次世代スターに注目せよ!

藤坂ガルシア千鶴

メンバー22人が海外組のアルゼンチン

新生ブラジル代表で攻撃の指揮を担うガンソ。メネーゼス監督からも不可欠の存在と評価されている 【Getty Images】

 7月1日(現地時間)より開幕するコパ・アメリカ(南米選手権)2011。09年、10年と2年続けてバロンドール(世界年間最優秀選手賞)に輝いたメッシ(アルゼンチン)をはじめ、ペレも絶賛する天才児ネイマール(ブラジル)といったスター選手たちによって、24日までの約3週間、南米王者の栄冠をめぐる熱い戦いが繰り広げられる。今回は、近い将来に南米から飛び立ち、欧州のサッカーシーンでの活躍が大いに期待される『次世代のスターたち』を紹介したい。

 87年以来24年ぶりの自国開催となるアルゼンチンは、18年もの間タイトルから見放されている渇望を癒すべく、メッシ、テベス、イグアイン、ディ・マリア、アグエロといった自慢のFW陣を従えて優勝を目指す。そのためバティスタ監督は、23人の登録メンバーのうち、GKのカリーソを除く22人を海外組で構成。国内にも将来性を秘める若手たちがいるものの、サネッティやカンビアッソといった経験豊富な選手たちの力を借りて大会制覇を目指している。
 そこで、知られざるスター候補生たちをチェックするために、アルゼンチン以外の出場国に目を向けてみよう。

新生ブラジル代表で攻撃の指揮を担うガンソ

 まずは、メネーゼス新監督に率いられ、04年、07年に続く大会3連覇を目指す新生ブラジル代表から。最前線でゴールを狙うのがネイマールなら、中盤の司令塔となって攻撃の指揮を担うのがパウロ・エンリケ・シャガス・ジ・リマ、通称『ガンソ』(がちょうの意味)である。
 89年10月12日生まれのガンソは、名門サントス所属のゲームメーカーで、ユース時代からそのたぐいまれなテクニックとスキルによって、実力者ぞろいのブラジルで注目されていた逸材だ。優れた戦術眼を持ち、中盤で攻守のバランスを整えながら、正確なパスによって相手陣内でチャンスを作り出す。09年にはU−20ワールドカップ(W杯)に出場して準優勝の好成績に貢献し、昨年のW杯・南アフリカ大会のメンバー入りも期待されたが、最終的に選考から漏れた。これには多くのファンが失望し、アルゼンチンのメッシまでもが「ガンソが南アフリカ行きのチームに入らなかったことには驚いた」と話したほどだった。

 だが、メネーゼス監督からは、ブラジル代表の再建のため不可欠な存在と評価されており、10年8月の米国戦で栄えある背番号10をつけてA代表デビューを実現。その後、左ひざの靭帯(じんたい)を損傷する災難に見舞われたものの、今年のコパ・リベルタドーレスではサントスの48年ぶりの南米王者タイトル奪取に貢献し、完全復帰したことを証明している。

名DFルガーノの『後継者』

 そのガンソよりちょうど1歳年下のセバスティアン・コアテス(ウルグアイ)は90年10月7日生まれ。W杯・南アフリカ大会で4位に躍進した古豪を主将としてけん引し、南米屈指と評される名DF、ディエゴ・ルガーノの『後継者』と呼ばれる20歳のセンターバックだ。

 11歳のときからウルグアイの名門ナシオナル・デ・モンテビデオでプレーし、09年4月に18歳でプロとしてデビューした。子供のころから体格が良く、生まれながらのリーダーシップによって下部リーグ時代は常にキャプテンを務め、後方からチームをまとめる役割を果たしてきた。身長196センチ、体重86キロという恵まれたフィジカルを持つだけでなく、素早い動きと優れたテクニックから相手の攻撃をそつなく止めることができる。ヘディングが得意で空中戦に強いため、セットプレーでは得点も狙う。

 劣勢になっても決して動じない精神力と冷静さには定評があり、早くからセンターバックとしての素質を認められ、U−17代表とU−20代表でもキャプテンとしてプレー。ナシオナルでプロデビューする前にイタリアのクラブが獲得に興味を示したときも、「まずは母国でプロになってから」という強い志を貫いた。09年11月にタバレス監督によってA代表に初招集されたが出番は与えられなかったため、今大会で出場のチャンスを狙っている。

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著者プロフィール

89年よりブエノスアイレス在住。サッカー専門誌、スポーツ誌等にアルゼンチンと南米の情報を執筆。著書に「マラドーナ新たなる闘い」(河出書房新社)、「ストライカーのつくり方」(講談社新書)があり、W杯イヤーの今年、新しく「彼らのルーツ」(実業之日本社/大野美夏氏との共著)、「キャプテンメッシの挑戦」(朝日新聞出版)を出版。

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