武豊も驚いたスマートファルコン圧巻V! 9馬身差の大勝=帝王賞

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武豊騎乗のスマートファルコンが圧巻の9馬身差で帝王賞V 【スポーツナビ】

 JRA所属馬と地方所属馬が一堂に会して争う上半期のダート王決定戦・第34回交流GI帝王賞が29日、大井競馬場2000メートルダートで行われ、武豊騎乗の圧倒的1番人気スマートファルコン(牡6=栗東・小崎厩舎、父ゴールドアリュール)が優勝。好スタートから先手を奪うと、そのまま後続のライバル馬に影も踏ませない逃走劇で9馬身差をつける圧勝を飾った。勝ちタイムの2分1秒1は従来の記録(2006年アジュディミツオー:2分2秒1)を1秒更新するレースレコード。2着馬につけた着差9馬身も、従来の記録(03年ネームヴァリュー:4馬身)を更新する帝王賞レコードとなった。

 また、同馬はこれで通算29戦19勝、GIレースは2010年のJBCクラシック、同・東京大賞典に続き3勝目、重賞は通算15勝目(いずれも交流重賞含む)。騎乗した武豊は今回の勝利で帝王賞は通算3勝目となった。

 なお、9馬身差の2着には佐藤哲三騎乗の2番人気エスポワールシチー(牡6=安達厩舎)、さらに1馬身1/4差には松岡正海騎乗のバーディバーディ(牡4=池江厩舎)が入った。

スピードが違う! ノーステッキでGIを楽勝

ノーステッキでGIを楽勝、これには武豊も驚いた 【スポーツナビ】

 圧巻の大勝利だった。鞍上の武豊自身もレース後、驚きの表情でこんな言葉をもらした。
 「ノーステッキでGIを勝つなんて、初めてのことじゃないかな」
 交流戦を含めれば、これで24年連続GI勝ちの金字塔を更新。数多くのGI勝利を味わってきた“天才”ですら、この日の勝利は衝撃的だった。

 レースは好スタートをキッチリと決めて、ハナを主張。「ゲート内ではいつもより馬が力んでいたから心配でしたけど、スタートさえ決まれば迷いはなかった」。1周目ホームストレッチでは、一番のライバルであるエスポワールシチーが仕掛けてきたものの、「ふたをされないように」ときっちり対処。エスポワールシチーより内枠だったこともあるが、何よりスピードが違う。1コーナーを回ったときにはすでに“必勝パターン”が出来上がっていた。

 そのままハイペースでグングンと飛ばし、4コーナーから直線に向くとさらに加速。直線だけで見る見る後続との差を広げていった大観衆のゴール前では、この圧倒的パフォーマンスに自然と拍手が起こっていた。
 「もうひと伸びして、最後までスピードが落ちない。本当にすごい馬ですね。あのペースでもつのが分かっているから、僕も安心して行けるんです」

「ダートのサイレンススズカみたいですね」

来春のドバイへ向け、ますます加速! 【スポーツナビ】

 今年6歳。すでにベテランの域に入る年齢だが、武豊が抱く感触は違う。
 「ここのところずっと安定していますけど、ますます馬が良くなっている、強くなっている印象ですね。もっと期待してもらっても大丈夫ですよ」
 ジョッキーがスマートファルコンへかける期待は海外、ドバイへの道。小崎調教師も今後のローテーションに関して、「まずは夏休み。その後、最終的にドバイを狙っていくローテーションを組みたいですね」と明言している。

 そして武豊は、あの最愛のパートナーの名前を出してこう言った。
 「ダートのサイレンススズカみたいですね」
 来春のドバイチャレンジ、まずはその前に中央のGI制覇へ――スマートファルコンと武豊の前にはまだまだ広大な夢が続いている。
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