首位の柏に染み渡る“ネルシーニョ・イズム”=好調は単なるフロックや勢いではない
得点ランクトップを走るベテランの存在
浦和戦でも2ゴールを挙げるなど北嶋は得点ランキングのトップを走っている 【写真は共同】
「プロ生活14年間で最も苦しい時期だった」。北嶋は当時をそう振り返る。しかし、彼はそこで腐るどころか、「チャンスは待つものではなく自分でつかみ取るもの」と自らの考えを改めた。チャンスをつかみ取るために工藤の長所である裏への抜け出しを参考にし、自身のプレーに採り入れて進化を期するなど、努力を怠ることがなかったのだ。そして練習試合ではゴールを重ねてネルシーニョにアピール。ようやく手にした公式戦のチャンスで見事に結果を残したのである。
昨年9月、やや陰りの見え始めた柏のJ2独走の勢いが再点火した大きな要因は、北嶋が復活してチームに多大なる刺激を与えたからにほかならない。同じく今シーズンもサブからのスタートとなったものの、北嶋は昨シーズンと全く変わらぬスタンスでトレーニングに打ち込み、先日の浦和戦ではまたしてもスタメンの座を獲得。なおかつ2ゴールで勝利に貢献しただけでなく、第10節終了時点での4ゴールは目下J1のゴールランキングでトップの数字だ。
「J2経由ACL行き」は実現されるのか
今シーズンの柏は「6位以内」を目標に掲げている。ただし、一昨年の広島、昨年のC大阪が昇格1年目にもかかわらず、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)圏内まで躍進したことになぞらえ、柏にもその姿を重ね合わせる向きもある。そして、ここまでの序盤戦を見る限りでは、そんな前評判に違わぬパフォーマンスを示していると言っても過言ではない。果たして3年連続で「J2経由、ACL行き」は実現するのか。大きく期待が膨らむ。
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