王者・伊東がデスマッチリーグ覇者の挑戦退けV4=大日本プロレス

タカハシ

王者・伊東(中央)がデスマッチリーグを制した佐々木を下し、4度目の防衛に成功! 【田栗かおる】

 5月恒例の大日本プロレス横浜文化体育館大会『エンドレス・サバイバー』が5日、1338人の観衆を集めて開催された。

 メーンイベントではBJW認定デスマッチヘビー級選手権試合が行なわれ、第25代王者・伊東竜二に今年のデスマッチリーグ戦『一騎当千』で竹田誠志を降して優勝した佐々木貴が挑戦した。
 前哨戦の試合後に佐々木は「以前の自分とは背負っているものが違う」と、自身が主宰するFREEDOMSの代表として、また自身の出身である岩手の人たちへの思いをも背負っていると宣言し、今回の対戦に対する並々ならない決意を表明していた。
 対する伊東もこれまでの自身が築いた最多防衛記録の6回を越えるべく、今回4度目の防衛戦に臨んだ。また伊東も佐々木同様岩手出身であり、地元への思いは佐々木同様、深いものがあるだろう。
 前回の対戦となった2007年7月から約4年ぶり4度目となる対戦で、2人が選んだデスマッチ形式はブロック&蛍光灯オブジェ+αデスマッチ。四方のロープに蛍光灯を吊るし、片方のコーナーにはブロック、もう片方のコーナーには蛍光灯を井形に組んだものが設置された。

伊東が見せたブロックへの対応 最後はドラゴン・スプラッシュで幕

蛍光灯とブロックのかけらが飛び散る壮絶なデスマッチとなった 【田栗かおる】

 ゴングが鳴ってもしばらく微動だにしない2人だったが、長期戦を予感してかレスリングの攻防でスタート。しかし最初にロープに吊るされた蛍光灯での攻撃を貴が見せると、伊東も同じく反撃し、積み重ねたブロック上へのボディースラムから場外に逃げた貴へのスワンダイブ式プランチャで追撃する。伊東はなおもブロックで殴打し、タランチュラやスワンダイブ式ドロップキックなど、立体的な攻撃を織り混ぜながら確実にペースをつかんでいく。また伊東は背中に蛍光灯を乗せておいてブロックでたたき割るなど、これまではあまり使ってこなかったブロックへも見事な対応を見せていく。
 しかし貴も蛍光灯を使ってのキック攻撃で反撃に転じ、伊東がセットした井形の蛍光灯オブジェに逆にパワーボムでたたきつけるなど、必死にペースを引き戻そうとする。再び伊東がブロック上へのボディースラムを成功させると、蛍光灯カカト落としを決め、貴の右脚(バズソーキック)をコンクリートブロックで防御し、ドラゴン・キッカー(シャイニング・ウィザード式ハイキック)を決めるなど着実にダメージを与えていく。

 伊東はブロック上へのボディースラムからそのまま続けてドラゴン・スプラッシュを決めるが、貴はこれをクリア。逆にパワーボム、ジャーマン・スープレックスで反撃に転じる。みちのくドライバーをブロック上で決めるがこれも決まらず。雪崩式Dガイストをブロックへ敢行しようとするが、これが逆に伊東に雪崩式フランケンシュタイナーに切り返されてしまいブロック上にたたきつけられる。ならばと貴は持ち込んだ蛍光灯の束で一撃を食らわせ、伊東もドラゴン・スプラッシュを繰り出すがこれは貴が1カウントでクリア。続けてのエルボー合戦のさなかに伊東は顔面パンチを放ち、最後はドラゴン・スープレックスから巨大なコンクリートブロックを模した蛍光灯の束を貴の体に乗せてのドラゴン・スプラッシュで壮絶な一戦の幕を引いた。

試合後のマイクで「次は4年後なんて言わない。いつでも挑戦してオレからベルトをひっぺがしてみろ」とアピールした 【田栗かおる】

 試合後にマイクを取った伊東は「お前が背負っているもののすべてを受け止め、すべてはね返してやった。でも今日がお前の限界じゃないだろう? 次は4年後なんて言わない。いつでも挑戦してオレからベルトをひっぺがしてみろ!」とアピールした。それを受けた貴は開口一番「負けたー!」と叫びながらも、また最強のチャレンジャーとして立ちはだかる存在となるまで這い上がっていく事を宣言した。

グレート小鹿社長にとっても感慨深い対戦が実現

アジアタッグ王者の関本(右)は、パワーの差を見せつけ、挑戦者の佐々木義人、石川晋也組を攻める 【田栗かおる】

 セミファイナルでは関本大介、岡林裕二組が持つアジアタッグ王座に佐々木義人、石川晋也組が挑戦した。王者組は3月21日の全日本プロレス両国大会で真田聖也、征矢学組からベルトを奪取。また、4月28日の大日本プロレス後楽園大会では全日本からの刺客として送り込まれた征矢、浜亮太組も返り討ちにし、今回は大日本プロレスの選手同士でのアジアタッグ選手権が実現した。かつて大熊元司さん(故人)との極道コンビで4度の王座戴冠、合計11回の防衛を果たした大日本プロレス社長・グレート小鹿にとっても感慨深い対戦となった。

 先発は石川と関本。ここまでのデスマッチとはまた違った緊張感が会場を支配する中、力強いオーソドックスな攻防が続いていく。お互いに佐々木、岡林とタッチするとタックル合戦、エルボー合戦といったシンプルなぶつかり合いで、とも意地を見せていく。しかしここは体重のある岡林が制する。この後は関本組の強力なパワーに石川が捕まってしまい、コーナーから必死で佐々木が呼びかける展開が続く。クイックタッチで繰り出されるボディースラムの連発から関本のブレーンバスター、逆エビ固めに大きなダメージを受けた石川は、なおも岡林に場外でのボディースラムを食らう。ようやくタッチに成功すると代わった佐々木はラリアットの連打、スピアーからのアルゼンチン・バックブリーカー、バックドロップと反撃に転じるが、関本はドロップキック一発で流れを引き戻し、続く岡林もアバランシュ・ホールドで続いていく。

アルゼンチン・バックブリーカーの競演も披露し、王者組が圧勝。試合後は次期挑戦者に前王者組の名前を挙げた 【田栗かおる】

 これをなんとかブレーンバスターで切り返した佐々木は石川にタッチするも、関本組のペースは変わらずアルゼンチン・バックブリーカーの競演も披露。石川も丸め技に活路を見出そうとするが、これもローリング・ジャーマンで流れを断たれ、関本のパワーボムからの変形逆エビ固め、対角線ラリアット、ダイビング・ボディープレスの連打などで2人を分断。最後はぶっこ抜きのジャーマン・スープレックスホールドで佐々木を沈めて2度目の防衛に成功した。

 試合後は、昔テレビで見ていたチャンピオンベルトを実際に戴冠した喜びを笑顔で語った関本であったが、次期挑戦者については改めて前王者チームである真田、征矢を指名した。

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