4歳が主役――覚醒トゥザグローリー、新時代の王へ=天皇賞・春展望

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競馬新時代の幕開けへ、トゥザグローリーが王手をかける 【スポーツナビ】

 JRA春の最強古馬決定戦、第143回GI天皇賞・春が5月1日、京都競馬場3200メートル芝で開催される。

 ウオッカ、ダイワスカーレットの出現以来、日本競馬は牝馬のスターホースが多く現れ、それに比べると牡馬はやや寂しい顔ぶれが続いていた。
 だが、現4歳世代の牡馬からはドバイワールドカップを勝って“世界一”になったヴィクトワールピサを筆頭に、ジャパンカップ馬ローズキングダム、ダービー馬エイシンフラッシュら、現役トップの能力を持った馬たちがキラ星のごとく登場。上記した以外の4歳馬も、昨年秋から今年春にかけて古馬混合の重賞を次々と勝利、そして上位独占するなど大いに賑わせており、この伝統の春の盾をめぐる争いも4歳牡馬が主役となっている。

超良血馬が本格化、早くも王者の風格

仕上がりも良好、あとは100パーセントの走りを見せるだけだ 【スポーツナビ】

 ヴィクトワールピサこそ香港競馬出走を予定していたため天皇賞・春は回避となったが、4歳世代の上位実力馬が勢ぞろいした中で、堂々の本命候補として注目を集めているのが、トゥザグローリーだ。

 父キングカメハメハ(04年GI日本ダービー)、母トゥザヴィクトリー(01年GIエリザベス女王杯)の超良血馬。昨年暮れのGI有馬記念も3着だったが、今年に入ってGII京都記念、GII日経賞と連勝。しかも、このいずれもが力の差を見せつける快勝で、マイネルキッツ、オウケンブルースリら先輩GI馬、またローズキングダム、ダノンシャンティら同期のGI馬をあっさりと撃破してみせた。

 完全に覚醒した感のあるここ2走の走りっぷりは、早くも王者の風格。先週のGI皐月賞をオルフェーヴルで制した池江泰寿厩舎のもと、調教も順調に積まれており、このまま順当に新時代の王へと突っ走るのか。

同期ライバルが黙ってはいない、ローズキングダム今度こそ

過去2走とは出来が違う、ローズキングダム本領発揮だ 【スポーツナビ】

 もちろん、ローズキングダム、エイシンフラッシュの同期GI馬が黙ってはいない。
 昨年のジャパンカップ、一昨年の朝日杯FSと2つのタイトルを保持するローズキングダムは、今年の2走が続けて3着と精彩を欠いた。だが、中間の動きは主戦・武豊も満足する動きを見せており、過去2走以上の出来にあることは明らかだろう。今回こそ本来の能力――2度大きな不利を受けながらもヴィクトワールピサに先着したJCのあの脚を見せてくれるに違いない。
 また、メジロ牧場解散の悲しいニュースに、メジロマックイーンとともに春の盾を連覇した「平成の盾男」こと武豊も大いに燃えているはずだ。

 ダービー馬エイシンフラッシュも上昇度ならピカイチだろう。こちらも近走は不振だったが、これは菊花賞を回避する原因となった筋肉痛の影響が長引いたからで、前走のGII大阪杯は明るい兆しが見える3着だった。
 もともとGI宝塚記念を春の大目標としていたが、春の盾獲りへ名乗りを上げてきたからには、それだけ出来がいいという証拠。府中で世代の頂点に立ったあの極限脚を、淀の3200メートルでも炸裂させるか。

 ほか、GII大阪杯勝ちで待望の重賞初Vとしたヒルノダムール、昨秋のGI天皇賞・秋2着のペルーサも、上記した馬たちと能力的な差はない。ここでチャンピオンになれる資格は十分に持っている。
 長距離重賞を制したスタミナ自慢のコスモ2騎、コスモヘレノス(GIIステイヤーズS)、コスモメドウ(GIIIダイヤモンドS)も侮れない4歳の実力馬だ。

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