勝利と敗北両方のレコードを持つ内藤大助 〜最短KO記録・日本編〜

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日本人の世界戦最短KO記録を持つ内藤大助。また最短KO負け記録も内藤が持っている 【Photo:中西祐介/アフロスポーツ】

 前回(4月1日掲載コラム)は「最短KO記録・世界編」だったが、今回は日本における最短決着について記録を紐解いてみた。
 世界最短KOは「5秒」、世界戦は「17秒」だが、日本記録もそれらに迫る数字だ。面白いのは元WBC世界フライ級王者の内藤大助(宮田ジム)が勝利、敗北の両方で記録保持者として名を連ねていることだろう。

内藤は「34秒敗北」と「24秒勝利」を記録

 日本にコミッション(JBC)が設立された1952年以降の59年間、国内で行われた全試合のなかでの最短KOは「8秒」である。

 この記録は2005年7月21日、後楽園ホールで行われたスーパー・ウェルター級4回戦でつくられた。斎藤大喜(トクホン真闘)対星野泰幸(ヨシヒロ)のデビュー戦同士での試合。開始と同時に斎藤が仕掛け、左フックでダウンを奪うとレフェリーがノーカウントで試合をストップしたもの。まさにアッという間のできごとだった。

 2番目の記録は1996年10月14日、後楽園ホールで行われた濱田安紀(フラッシュ赤羽)対鳶田俊明(輪島)のライト級4回戦の「10秒」。濱田が左フックでダウンを奪うとカウント4で相手陣営から棄権のタオルが投入されて試合が終了した。

 タイトルがかかった試合の最短KO記録となると内藤大助の独壇場だ。

 過去に日本人あるいは日本のジム所属選手が国内外で出場した世界戦は620試合を超えるが、最短決着は2002年4月19日、タイのコンケンで行われたWBCフライ級戦、ポンサクレック・クラティンデーンジム(タイ)対内藤の「34秒」。奇襲攻撃に出た挑戦者のアゴをサウスポー王者の左が直撃、内藤は大の字になってしまった。

 しかし、その2年半後の2004年10月11日、日本フライ級王者になっていた内藤は初防衛戦で同級4位の小嶋武幸(横浜さくら)を「24秒」でKO。国内戦での従来の記録を21秒も短縮する最短KOレコードを樹立している。

 内藤が数々の苦難を乗り越えて世界タイトルを獲得したのは、小嶋戦から3年後のことだった。その後の活躍はここに記すまでもないだろう。

(Written by ボクシングライター原功)
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安定王者ビュテ、7度目の防衛戦! 

<IBF世界S・ミドル級タイトルマッチ>
[チャンピオン]ルシアン・ビュテ(ルーマニア)
[挑戦者・同級5位]ブライアン・マギー(英国)

<S・ウェルター級8回戦>
バーネス・マーティロスヤン(米国/WBO世界S・ウェルター級1位)
ブラディミール・エルナンデス(メキシコ/メキシコ・ミドル級)

<USBA全米S・バンタム級タイトルマッチ>
テオン・ケネディ(米国/USBA全米S・バンタム級チャンピオン)
ホルヘ・ディアス(米国/米国・S・バンタム級)

4月18日(月)よる8:00
4月22日(金)午後0:00[リピート放送]
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