西武の正捕手争いを制するのは…!?=高木大成の南郷キャンプコラム
細川移籍の影響については心配していない
銀仁朗(中央)ら捕手陣のレギュラー争いが続いている 【西武ライオンズ】
確かに細川は経験豊富で、ベストナインやゴールデングラブ賞などを受賞したことのある素晴らしい選手。しかし振り返ってみると、規定打席(144試合×3.1=446打席)に達しているのは2007、08年の2回だけなのである。この事実を裏返せば、ほかの捕手が試合に出る機会が多くあったということだ。
私は、規定打席に達して初めてレギュラーと言えるのではないかと考える。
今回南郷キャンプに参加しているのは4選手。08年の巨人との日本シリーズで、ランナーを背負った苦しい場面での好リードが光ったベテラン・野田浩輔、打者としても成長著しい上本達之、昨年ひざに大ケガを負ったものの見事にカムバックを果たした強肩・銀仁朗、そしてムードメーカー的存在の3年目・岳野竜也。この4選手は、アーリーワークから投内連係にブルペン、バッティング練習に個別練習まで、全てのメニューを一緒に行っている。競争させるのが狙いだろうが、監督・コーチ陣としては全員一緒に練習している方が、各選手の特徴を把握しやすいということもあるのだろう。
打者を抑える配球や試合運びなどについては、捕手としての経験が豊富な選手が有利と言われている。しかし現在のプロ野球は、守りだけが優れていても正捕手の座をつかむことはできない時代にきている。ある程度打てないとレギュラーにはなれないのである。
打撃においても個性がある4選手
左上から時計回りに銀仁朗、野田、岳野、上本のキャッチャーミット 【西武ライオンズ】
野田は飛距離はないが徹底した右打ちができ、相手チームの嫌がるバッティングができるチームに欠かせないベテラン選手である。上本はご存知の通り、捕手の中では一番のバッティング成績を残している。昨年もサヨナラホームランを放つなど、時には代打として起用されるチャンスに強い選手だ。
銀仁朗は今まさにフォーム改造中である。早朝のバッティング練習終了直後に土井正博ヘッド兼打撃コーチの指導のもと、下半身の回転で打つフォームを身につけるため、防球ネットに向かってティーバッティングを繰り返している。岳野は昨年初めて1軍の打席に立った、まだ経験の少ない選手ではあるが身体に力があり、荒削りなものの伸びしろのある楽しみな選手の一人である。
今シーズンは、おそらく場面によって起用する選手を使い分けていくのではないかと思う。どのような起用方法をするのか、渡辺監督のさい配にも注目したい。
そしてライオンズの捕手から規定打席に到達する選手が現れた時、ライオンズの黄金時代がまたやってくるに違いない。
<了>
「大成の南郷キャンプコラム」はモバイルサイトで連載中
・第1回「西口さんに期待!」(2月3日掲載)
・第2回「超一流の技術を伝授」(2月5日掲載)
・第3回「おかわり君には通用しない」(2月8日掲載)
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