メッシvs.C・ロナウド、国の誇りを懸けたライバル対決
今年最高の一戦になる予感も
地元開催のコパ・アメリカへ向けて、バティスタ監督へのプレッシャーは日増しに高まっている 【写真:アフロ】
アルゼンチンでほかに興味深い要素といえば、バティスタが導入した戦術的な変化だろう。指揮官は2人の純粋なサイドバックを呼び戻し(ハビエル・サネッティとパブロ・サバレタはすでに継続的に招集されている。スパルタク・モスクワのマルコス・ロホも加えられた)、ポゼッションサッカーを実現すべく、中盤の選手も補強された(フェルナンド・ガゴ、エベル・バネガ、エステバン・カンビアッソ、ハビエル・マスチェラーノはたいてい招集されている)。目指すサッカーはバルセロナのそれに近い。メッシはバルセロナでプレーしているように前線の中央の位置に入るが、アタッカー陣(ファーストチョイスのイグアインは現在は負傷中)の後ろで自由に動くことが許されている。
バティスタが今回、カルロス・テベスやセルヒオ・アグエロといった重要な選手を招集していないのは驚きだが、その代わりにアンヘル・ディ・マリアやベンフィカのニコラス・ガイタン、ベレス・サルスフィルドのファン・マヌエル・マルティネスといった選手たちを呼んでいる。ポルトガルはC・ロナウドに加え、ナニ、ダニー、エルデル・ポスティガ、ウーゴ・アウメイダ、クアレスマと攻撃陣のポテンシャルはかなり高い。
両チームの特徴と潜在能力(親善試合で世界王者のスペインに対し、アルゼンチンは4−1、ポルトガルは4−0で勝利を収めている)とピッチにいるスター選手の存在を考えれば、今年最高の一戦になる要素は十分に備えている。唯一の気掛かりは、メッシが筋肉疲労のために欠場する可能性があることだが……。
<了>