村上佳菜子を筆頭に、改めて強さを示した日本女子=フィギュアGPファイナル
表彰台を逃すも持ち味発揮した安藤と鈴木
村上は初のGPファイナルで銅メダルを獲得。中央は優勝したシズニー、左端は2位のコストナー 【坂本清】
まずはショートプログラム(SP)でふたつの大きなミスをして、思わぬ5位発進となった安藤美姫(トヨタ自動車)。「ちょっとリラックスしすぎました。曲を変更したショート、初めて皆さんに見てもらうことにわくわくしすぎてしまった。フリーはもうちょっといい緊張感を持って滑れたら、と思います」(SP後コメント)。
ショートプログラムでは出遅れたが、フリーでは強さを見せた安藤 【坂本清】
安藤美姫、鈴木明子――日本女子ベテラン勢の相次ぐ好演技は、男子の試合で悔しい思いをした後だけに、圧巻だった。村上佳菜子が急成長した今シーズン、自分たちの戦いはファイナルでは決して終わらないことを、二人とも良く知っているのだ。この後、彼女たちを待つのは、浅田真央(中京大)を交え、世界選手権への出場切符を競う全日本選手権。そこで国内ジャッジから高い評価を得るには、国際試合で結果を残すことが大きな後押しになることも、知っている。そんな大事な試合で、追い詰められながらも二人が見せた、レベルの高いフリー。さすがに、男子の戦いが厳しくなるずっとずっと前から、国内代表権を得るために本気の戦いをしてきた日本の女子シングル、そのなかから選ばれた選手たちだ。安藤、鈴木ともが今、自分が見せるべきものをしっかりわきまえ、現時点で最高の演技をもって、ファイナルを盛り上げてくれたのだ。