三崎和雄、12.30出陣! “殴り家”打倒で三たびサンチアゴ戦へ=戦極

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三崎和雄(左)が12.30出陣、坂口征夫は電撃復帰が決定した 【スポーツナビ】

 12月30日に東京・有明コロシアムで開催される格闘技フェスティバル「戦極 Soul of Fight」の追加対戦カードが8日、東京・SRC本部道場で発表され、ミドル級の日本人エース・三崎和雄が参戦。メキシコ出身のハードヒッター、マイク・シールと対戦する。

 東京・SRC本部道場で開かれた会見に出席した三崎は、シールが挑発的に予告してきた“血みどろ”宣言に対し「拳で応える。自分は無傷でスカッと勝ちたい」と真っ向勝負。この一戦を1つのステップとして、三度目のジョルジ・サンチアゴ戦へたどりつきたいと、隠すところなく胸の内を明かすと、「そのためにも絶対に負けられない」と必勝を誓った。

 また、王者マルロン・サンドロvs.日沖発によるSRCフェザー級王座戦、父に坂口征二、弟に坂口憲二を持つ元パンクラスライト級2位・坂口征夫が現役復帰しジャケットマッチ出場など、合計4カードが発表された。

「たまにはスカッと」無傷圧勝も予告!?

名門ジャクソンズMMAが送り込む“殴り家”相手に一歩も引かず 【スポーツナビ】

 あの真夏の激闘から4カ月。三崎が戦極の年末ビッグイベントに合わせるかのように、リングに戻ってきた。
 「相手のことは全く知らない選手ですが、話を聞いたり戦歴を見てみると、非常に面白い選手だなと。相手は打撃でガンガン来るということなので、こちらもそれを迎え撃つ気持ちで拳で応えたい。ファンのみなさんの心に届く試合をしたいですし、SRCの新しい大会を、選手・プロモーターの一員として盛り上げたいです」

 2010年最後の対戦相手に決まったマイク・シールは、あのUFCウェルター級王者ジョルジュ・サンピエールら強豪が数多く名前を連ねる名門「ジャクソンズMMA」所属。戦績は13勝13敗1分け1無効試合と、特別目立ったものではないが、キャリア28戦中で1つの引き分けと1つの無効試合を除いては、判定決着はただ1度という典型的な“やるか・やられるか”の超アグレッシブファイターだ。
 SRC広報を通じて寄せられたコメントにも「とにかく相手を殴って、蹴ることしか考えていない。勝とうが負けようが俺の対戦相手は血みどろさ」と、物騒な言葉がちりばめられている。ちなみにこのマイク・シールはスティーブン・セガールと映画で共演し、『ターミネーター4』や人気ドラマ『プリズン・ブレイク』シーズン3にも出演しているキャリアを持つとのことだ。

 いかにビッグネームではなくともこの危険な“殴り家”を相手に油断すれば、三崎といえども無事に年は越せないかもしれない。しかし、シール以上の百戦錬磨である三崎は「血みどろって言っても、相手の血だけかもしれないですしね」と軽く受け流すと、「できることなら自分の血を流さずに終わりにしたいですね。たまにはケガなくスカッと勝ちたい。そろそろじゃないかと思っているんです」と、無傷の圧勝も予告してみせた。
 そこにあるのは余裕ではなく、“絶対に負けられない!”という強い思い。三崎の本当に戦い相手は、まだ先にいる。本人が包み隠さずに語った。
 「正直、できることなら今すぐにでもサンチアゴと試合がしたい。今の自分のモチベーションはサンチアゴですから」

サンチアゴにたどりつくためにも、ここは負けれらない!

三たびサンチアゴ戦へ、この一戦は落とせない(写真は8.22「SRC14」) 【t.SAKUMA】

 昨年1月4日、そして今年8月22日と、ジョルジ・サンチアゴとはSRCミドル級王座をかけ2度対戦。いずれも日本の総合格闘技史に残る大激闘・死闘となったが、一進一退のシーソーゲームの末に三崎はあと一歩及ばず連敗している。希望をかなえてもらえるのなら、あともう1度だけサンチアゴと戦いたい。今、三崎を突き動かしているのはサンチアゴとの3度目の対戦実現なのだ。
 「もちろん、サンチアゴにたどりつくためには何試合か勝っていかなきゃいけないし、それは自分自身にかかっている。そこに向けて確実に階段を上っていきたいので、ここは絶対に負けられないですね」

 8月のサンチアゴ戦以前に負傷した右足首(剥離骨折と靭帯の部分断裂)も、完ぺきに近い状態まで戻り、三崎本人もグッドコンディションへの仕上げに手ごたえ十分。
 「10月くらいから基礎体力づくりに入りましたが、それまでは十分に休養をとってエネルギーを吸収できました。ケガの状態も日常生活にはまったく支障はないですし、このまま順調にいけば、前回よりももっといいパフォーマンスを見せられます」

 また、年末の格闘技といえば、07年大みそか『やれんのか!』で秋山成勲を1R粉砕するなど(その後、ノーコンテスト裁定に)、三崎自身の名前を大きく上げた特別な大会であると同時に、一般層も格闘技に注目する特別なイベントだ。
 「1年にその日1日しか格闘技を見ない人もいる。そういった人たちの心にも届く試合をしたいと思いますし、自分としては年末であっても、会場の大きい小さいに関わらず、どの試合も同じ気持ち。見てくれたお客さんの記憶に残る試合をしたいと思っています」

 サンチアゴ打倒3度目の正直へ、三たび再起への道を歩み始めた“ヒットマン”。三崎にとって、12.30は1年を締めくくる区切りの試合ではなく、新たなスタートへの第一歩となる。

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