予期せぬ日本戦の敗北、不透明なアルゼンチンの未来
監督の正式決定を前に……
メッシ(左)は格の違いを見せつけたものの、日本守備陣の前にゴールはならなかった 【Getty Images】
多くの人は、暫定監督のセルヒオ・バティスタが正式に監督として認められるのが自然な成り行きだと思っていた。選手たち、特に世界最高の選手との呼び声高いリオネル・メッシからの支持を得ているからだ。だが、首脳陣の中にはバティスタ続投に対し、異論の声があったのも事実である。日本戦のアルゼンチンからは不安な要素が垣間見えた。3、4人の監督候補を推薦する役割を担うゼネラル・マネジャー(GM)のカルロス・ビラルドの脳裏には、別の候補者が浮かんだかもしれない。すなわち、アレハンドロ・サベージャ(ポイントリーダーのエストゥディアンテス監督)と、ミゲル・ルッソ(ラシン・クラブ)だ。両者とも80年代にアルゼンチンを率いていたビラルドのもとでプレーしている。
日本戦に先立ち、バティスタは「かつてのアルゼンチンのスタイルを取り戻さなければならない」と語った。メッシという天才を中心に据え、ボールタッチを多くし、ゆっくりとゴールを目指す。テクニックのある選手の距離間は短く。つまり、スペイン代表のシャビ、イニエスタ、シャビ・アロンソ、セルヒオ・ブスケツのような中盤を構成するということだ。
アイルランド、王者スペインに勝利
だが、日本戦を前にサネッティとサバレタが負傷離脱し、ディフェンスラインはいつにも増して不安定だった。GKのセルヒオ・ロメロは日本のゴールシーンを含め、イージーボールをたびたびリバウンドさせた。それがチーム全体に影響し、最後までペースをつかめなかったとも言える。
中盤ではハビエル・マスチェラーノとカンビアッソが正確性を欠き、エインセとブルディッソのサイドバックコンビの攻撃参加はほとんどなし。メッシはその才能の片りんをたびたび見せたが、ついにゴールはならなかった。アンドレス・ダレッサンドロは機能せず、チームがややリズムをつかんだのはハビエル・パストーレを投入してからのことだ。
結局、アルゼンチンは0−1で日本に敗れた。監督のバティスタは試合後、「今日の1試合だけで評価されるとは思わない。これまでの試合を見て評価してほしい」とメディアの前で訴えた。
監督決定、そしてブラジルとの決戦
11月17日、アルゼンチンはカタール・ドーハという第三国の地でブラジルと親善試合を行う。そこで求められるのは、1つではない。彼らは多くの課題を克服し、コンセプトを修正することを求められる。そして何より、これ以上嵐の中を突き進みたくなければ、宿敵を相手に結果を手にすることが重要だ。
その一方で、協会の首脳陣たちは考えを精査し、一刻も早くアルゼンチンサッカーのためにプロジェクトを開始すべきである。正式な監督を任命し、ぶれることのない方針を示す必要がある。まさに今回、日本が示したように。埼玉スタジアムでのライバルは、ハードワークを基盤にその可能性を披露し、チームのコンセプトも明確だった。両者の差があの日、ピッチ上でくっきりと表れたのだ。
<了>
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