松坂、岡島、田沢それぞれの2010年=Rソックス日本人選手を振り返る
岡島の来季契約は球団側次第
自身初のDL入りをするも、戦列復帰後は好調を維持した岡島 【Getty Images】
「プレーオフに行けないのは残念だが、オフはしっかりと体のケアをして、来年をいい形で迎えたい」と、プロ17年目を迎える2011年に向け、まずはしっかりと体を休ませるという。
ただ、来年もレッドソックスのユニホームを着るかどうかについては「保有権を持つボストン次第。もし、ボストンが契約しないというのであれば、アメリカでも日本でも、野球ができればどこにでも行く」と話すなど、他球団への移籍をほのめかす発言もあったが、レッドソックスが岡島の保有権を放棄するとは思えない。ただ、岡島の今季年俸は275万ドル(出来高は含まず)と決して高くはない。今オフも、球団側と年俸調停を回避し、5年目の契約を結べるかどうかは、球団側の評価次第ということになるだろう。
手術を受けた田沢は公式戦に出場せず
4月に右ひじ靭帯(じんたい)の移植手術、いわゆるトミー・ジョン手術を受けた理由は「キャンプ終盤に検査を受けたら、切れかかっているところが見つかった」から。田沢によると、「社会人(新日本石油ENEOS)の時から張りはあった」というが、『即手術』という、レッドソックスの決断の早さには本人も驚いたようだ。
「トレーナーは、何人もそういう選手を見ているから『戻るよ』って簡単に言う。でも、当事者としては簡単に戻ってこられるのかって、正直、疑問に思った」
当初は疑問や不安ばかりが頭の中を交錯していた田沢だが、米国にはトミー・ジョン手術を受けた投手があまりにも多いことを知る。そして「ひじが悪いわけでもないのに、子どものひじにメスを入れさせる親も珍しくない」ことも知る。田沢は「米国人の前向きなところを見習って」、ポジティブに考えるようになった。
今月に入ってから、キャッチボールの距離は120フィート(約36.6メートル)まで伸び、ボールの軌道も低くなりつつある。11月に帰国するまでに1度か2度、ブルペンに入る可能性もあるようだ。田沢は明るい表情でこう続けた。
「今は痛みもなく投げられている。ずっと何年も前から張りがあったので、復帰が楽しみ。そんな簡単にはいかないと思うが、張りがなく投げられることを楽しみにしている」