小林と石川、伊東への挑戦権かけ9.19後楽園で一騎打ち=大日本プロレス

タカハシ

石川(中央)と小林が伊東への挑戦権をかけ9.19に激突 【タカハシ】

 大日本プロレスの後楽園ホール大会が、蛍光灯6人タッグデスマッチをメーンイベントとして825人の観衆を集めて開催された。
 メーンではデスマッチヘビー級王座の現王者である伊東竜二が、佐々木貴とアブドーラ・小林の元王者の2人を引き連れ、石川修司、宮本裕向、木高イサミとのデスマッチ新世代トリオと対戦した。
 7月の後楽園ホール大会で突然デスマッチ王座戦線に名乗りを挙げた石川にとって、デスマッチ王座への挑戦を見据えて本格参戦した第一戦。そもそも石川が名乗りを挙げたのは自身の保持していたKO−D無差別級の王座を大日本の関本大介に奪われ、両国国技館のメーンイベントに出場する夢を絶たれたため。今度は大日本のベルトをユニオン所属の自分が奪取する事で、大日本プロレスに対するリベンジを果たそうとしていた。

 また9月6日の高岡テクノドーム大会でタッグを結成し、葛西純、“黒天使”沼澤邪鬼の045邪猿気違’sの保持するBJWタッグ王座に挑戦することが決まっている宮本と小林が敵味方に別れている点も注目されていたが、ゴング前に奇襲をかけた新世代軍のうち、宮本が最初に狙いをつけたのは小林であった。
 石川は王者である伊東に狙いを定め、北側の観客席内で得意のヒザを叩き込んでいく。
 その後も小林の独特なユーモラスな動きに対し、まるでツッコミを入れるかのような宮本とイサミの攻撃に会場からは笑いも漏れ、また石川の自らの肉体こそ凶器と言わんばかりの豪快な攻撃に会場は揺れ続ける。しかし王者トリオも佐々木のキック攻撃で反撃の糸口を見つけると、佐々木のスイング式DDT、伊東のミサイルキック、ノーザンライト・スープレックスなどで石川の動きを止めていく。石川もイサミとのユニオンコンビで合体攻撃を見せるものの、イサミが伊東に狙った蛍光灯ニードロップをかわされると、最も体重差のある小林に捕まってしまう。自力で3カウントを許さないイサミはドラゴン・スプラッシュ、右脚をそれぞれ蛍光灯付きで受けるも、石川との合体ニードロップを成功させ、続けざまにトペを敢行して佐々木を足止めする。

 ここまで豪快なやられっぷりを見せてきた小林だが、反撃ののろしとばかりにふんどし姿になると宮本に蛍光灯パイルドライバー、裏コバ・ドライバーと畳みかけ、最後はダイビング・バカチンガー・エルボーwith 蛍光灯で前王者である宮本から完璧な3カウントを奪ってみせた。
 試合後にはパートナーである伊東に対しデスマッチ王座への次期挑戦をアピールする小林に、石川もオレの方が先とばかりに割って入る。すると小林は石川に対して「大日本は指名すればすぐ本番をやらせてくれるような安い店じゃない」とマイクでねじ伏せ観客を味方に付けると、最後は石川からの妥協案である9.19後楽園ホール大会での挑戦者決定戦を受け入れた。

関本が豪快ジャーマンで熱戦に終止符

関本(右)がジャーマンで勝利、熱戦に終止符を打った 【タカハシ】

 セミファイナルではマンモス佐々木の交通事故による負傷のために昨年3月にBJWタッグ王座を返上したかつての王者チーム、マンモス佐々木、関本大介組が佐々木義人、岡林裕二組と対戦した。これが大日本プロレス本戦では復帰戦となるマンモスは、一刻も早くブランクを取り戻したいであろうし、他の3人はマンモス欠場中の自身の成長を見せつけたいところだ。
 試合は小細工なしで正面からぶつかり合う、ヘビー級の戦いが繰り広げられる。義人は関本相手に強烈な逆片エビ固めを見せ、関本も打点の高いドロップキックを義人に食らわせていく。マンモスが豪快なギロチンドロップやチョップを見せると岡林はマンモスの巨体をアバランシュホールドやブレーンバスターで叩きつけて会場を沸かせていく。試合終盤、マンモスがアッサム・ボムを決めると岡林の動きが止まり、マンモスの29歳で義人に大きなダメージを与える。最後は岡林とのバックの取り合いを制した関本がジャーマンスープレックスホールドで熱戦に終止符を打った。

山川勝利も、パートナーに認められず

葛西(右)と沼澤は、山川に対し「若手に勝ってから来い」と痛烈な言葉を投げかけた 【タカハシ】

 第四試合では葛西純、”黒天使”沼澤邪鬼 の045邪猿気違’sが星野勘九郎をパートナーに、シャドウWX、ジ・ウィンガー、山川竜司と有刺鉄線ボード6人タッグデスマッチで対戦した。
 復帰以降思うような試合が見せられない山川に対し「横浜アリーナ大会で引退しておくべきだった」と引退勧告をし続ける045邪猿気違’sの2人は、この日も山川に対して厳しい攻撃で追い込む。ホウキを使ったハリー・ポッター(という名の急所攻撃)やイスで組み立てたオブジェに叩きつけるなど、観客も一瞬声を失うほどの攻撃を見せるが、山川も星野を有刺鉄線ボードに叩きつけることでようやくWXとのタッチに成功する。
 WXはラリアットや垂直落下式ブレーンバスターなどの得意技で星野に大きなダメージを与え、山川へのアシストを試みるがそれを045邪猿気違’sが許さず、リバース・タイガードライバーで追い討ちをかける。山川もパールハーバー・スプラッシュをヒザで迎撃するものの、後が続かず星野に攻め込まれるものの最後はなんとか有刺鉄線ボ−ド上のリバース・タイガー・ドライバーで辛うじて星野から3カウントを奪った。しかしレフェリーのカウントが微妙なところや、そこまでの山川のふがいなさもあり観客からは微妙なリアクションが起こってしまう。
 試合後にはパートナーであるWXからも「今日のは勝ちじゃない」と言われる始末。045邪猿気違’sの2人からは「若手の塚本や橋本に勝ってから来い」とまで言われてしまった山川。完全復活までの道はまだまだ遠いようだ。

バラモン兄弟が絶妙な連係で3カウント奪取

墨汁攻撃を受け、バラモン兄弟に敗れた谷口(左)と弁慶 【タカハシ】

 第三試合では谷口裕一、大黒坊弁慶対バラモン・シュウ、バラモン・ケイの名物タッグ対決が行なわれた。谷口、弁慶の試合としては珍しく試合序盤から南側客席までなだれ込む大乱戦となり、バラモン兄弟はスピードの差を活かして谷口をローンバトルとする事で試合を有利に進めていく。しかし谷口は相手の動きを冷静に見極めて同士討ちを誘うと弁慶にタッチ。弁慶は頭突きで2人の動きを止めると、今度は体格差を活かした攻撃で反撃に転じていく。
 ゆったりとした動きで体重を預けていく攻撃にバラモン兄弟は悲鳴を挙げる事しかできないが、いつもは自滅となる墨汁攻撃を弁慶に成功させると、今度は谷口にもお見舞いしようとする。これは谷口が防き攻撃するはずが、逆に墨汁を飲み込んでしまう事になる。 それでも谷口に2人がかりのフットスタンプを成功させると、最後はゾンビキングで谷口から3カウントを奪ってみせた。

大日本プロレス後楽園ホール大会

8月29日(日)東京・後楽園ホール 観衆:825人

<メーンイベント: 蛍光灯 6人タッグデスマッチ 30分1本勝負>
伊東 竜二、佐々木 貴、○アブドーラ・小林
(21分19秒:ダイビング・バカチンガー・エルボー with the 蛍光灯束からの片エビ固め)
石川修司、●宮本裕向、木高イサミ

<セミファイナル:タッグマッチ 30分1本勝負>
○関本 大介、マンモス佐々木
(16分9秒:ジャーマンスープレックスホールド)
佐々木義人、●岡林 裕二

<第4試合:有刺鉄線ボード 6人タッグデスマッチ 30分1本勝負>
葛西 純、“黒天使”沼澤邪鬼、●星野 勘九郎
(13分3秒:リバース・タイガー・ドライバー オン・ザ有刺鉄線ボードからの片エビ固め)
シャドウWX、○山川 竜司、ジ・ウインガー

<第3試合:タッグマッチ 30分1本勝負>
大黒坊弁慶、●谷口裕一
(9分38秒:ゾンビ・キングからのエビ固め)
○バラモンシュウ、バラモンケイ

<第2試合:タッグマッチ 30分1本勝負>
○MEN’Sテイオー、大橋篤
(15分52秒:テイオーロック)
●沖本摩幸、ヘラクレス千賀

<オープニングタッグマッチ:20分1本勝負>
忍、○塚本拓海
(10分51秒:ミサイルキックからのエビ固め)
河上 隆一、●橋本和樹
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