8月7日に開幕する第92回夏の全国高校野球選手権大会。昨年の菊池雄星(花巻東高・現埼玉西武)ほどの大物選手はいないが、大会を盛り上げてくれる個性豊かな選手らが全国の舞台に顔をそろえた。春夏連覇を目指すトルネード左腕・島袋洋奨(興南高)は今予選では本調子でない中も、31回を投げて、44奪三振、2失点と格の違いを見せつけた。今春の選抜4強に貢献した187センチの大型右腕・有原航平(広陵高)は予選決勝で昨夏代表の如水館高を4安打完封した。本格派右腕・中川諒(成田高)はOBの唐川侑己(現千葉ロッテ)に似た投球フォームで甲子園の躍動を誓う。右横手に転向した一二三慎太(東海大相模高)は新たな武器であるシュートで全国制覇を目指す。1年夏以来の甲子園となる仙台育英高・木村謙吾は145キロの速球を武器に予選では40回を投げて52奪三振。1年生右腕・田村伊知郎と2枚看板で兵庫を勝ち抜いた左腕・大西一成(報徳学園高)は抜群の安定感を誇る。昨春の選抜8強の原動力となった南陽工高・岩本輝はキレのあるストレートの最速が144キロまで伸びた。長野予選を1人で投げ抜き、松本工高を初出場に導いた140キロ右腕・柿田裕太、148キロの速球と独特のカーブで三振を狙える田中太一(大分工高)、キレのいいスライダーが武器の野口亮太(前橋商高)も楽しみ。