チッパー・ジョーンズは恩師コックスとともに“ファイナルシーズン”を迎えるのか?=MLB
名将コックスが今季限りで勇退
今季限りで勇退する名将コックス監督。ブレーブスでは25年間指揮を執った 【Getty Images Sport】
ブレーブスで通算25年間指揮を執り、1991年からメジャーリーグ史上最長の14シーズン連続地区優勝(94年はストライキのためシーズン打ち切り)に導き、リーグ優勝3度、95年にはワールドシリーズ制覇も果たし、メジャーの監督として歴代4位の2455勝(ブレーブス2100、ブルージェイズ355/現地時間6月21日現在。以下同)をマークしたコックスは、引退後の野球殿堂入りも確実なものにしている。その花道を飾るように、ブレーブスは驚異のルーキー、ジェーソン・ヘイワードが66試合で11本塁打、44打点、カージナルスから移籍してきたトロイ・グラースが70試合で14本塁打、55打点の活躍を見せるなど、ナショナルリーグ東地区でメッツ、フィリーズを抑え、首位に立っている。
不振のジョーンズも引退か
4月終了時点で、ジョーンズの成績は19試合で打率2割3分、2本塁打、6打点。6月21日時点でも、56試合で打率2割5分、4本塁打、29打点と、通算打率3割6厘、430本塁打を誇るチーム史上屈指の強打者としては、まったく納得のいかない数字が続いている。開幕から続くスランプやケガで弱気になったのか、6月に入ると突然、ジョーンズの現役引退説がその周辺から流され、大々的に報じられた。目下のところシーズン途中でユニホームを脱ぐことはなさそうだが、ブレーブスファンにとっては、黄金時代を支えたコックス監督とジョーンズがそろって今季で見納めになる可能性も高くなってきた。
注目を浴びた野茂との新人王争い
しかし、ジョーンズはブレーブス球団史上にとどまらず、メジャーの現役選手、歴代の強打者たちと比較しても特筆すべき実績を残してきた。メジャーリーグで300本塁打以上を放ったスイッチヒッター6人(ほかにミッキー・マントル、エディー・マレーら)の中で唯一、通算打率3割をマークしており、また400本塁打以上を放った45選手のうち、1球団で現役生活をまっとうした11人(ほかにマイク・シュミット、ジェフ・バグウェルら)のひとりでもある。11人のうち、ジョーンズと資格取得前のバグウェルを除く9人は、全員野球殿堂入りを果たしている。
引退後の「クーパーズタウン直行切符」を手にしているといっても過言ではないほどの実績を残しているジョーンズだが、ここまでの野球人生はまさにコックス監督抜きでは考えられないものだった。