選手の成長が勝利を呼び込む埼玉西武

埼玉西武ライオンズ

交流戦・過去最高の成績で再びペナントレースへ

 約1カ月間にわたって繰り広げられたセ・パ交流戦を、埼玉西武は14勝10敗の成績で終了した。過去5年の成績を振り返ると、勝ち越したのは2006年の一度のみと、交流戦をあまり得意としてこなかっただけに、渡辺久信監督は「貯金が4つできたので良かった」と評した。順位も2位と過去最高を記録し、交流戦前のリーグ1位の位置を維持したままペナントレースへと戻った。

 投打の成績を見ても際立って目立つポイントは見当たらない。しかしながら、6月9日の阪神戦(2対1でサヨナラ勝ち)に象徴されるように、先制されても粘って持ちこたえ、最後には逆転に結びつけるという試合運びができるようになった。「選手が成長してきている証拠。一昨年、昨年とは違ったチームの成長を感じる」と渡辺監督も認めるところだ。

 個々に見ると、先発陣の中では4月の成績が芳しくなかった涌井秀章が持ち直して4勝1敗、許銘傑が2勝。交流戦前まで好調だった帆足和幸、岸孝之は終盤に来て黒星を重ねてしまったが、中5日というハードなローテーションの影響も否めない。ペナントレースではまた本来の投球を見せてくれるだろう。
 打撃では今季好調の高山久が規定打席に達し、打率もチーム内で中島裕之に次ぐ2位と活躍している。交流戦途中から主砲の中村剛也が右ひじ痛により欠場し、打線のつながり、得点力の課題が浮き彫りになったが、相手投手に応じて左打者を並べたり、打順を入れ替えたり、さまざまな対策を講じ、個々の奮起、ひいてはチーム力アップを目指している。

厳しい状況の中で3連勝の好スタート

 交流戦を終え、いよいよペナントレースが再開されたが、5月まで6勝2敗と好調だった先発の石井一久が、6月1日の横浜戦で負った左足故障のため戦列を離れることとなった。また、主砲・中村の長期離脱も決まった。ここにきて不安材料もあるが、チームリーダーの中島はもちろん、通算200盗塁を決めた片岡易之、破壊力のある新外国人選手・ブラウン、今季好調の高山など役者はそろっている。投手陣も野上亮磨を筆頭に、田中靖洋、武隈祥太など若手の成長が著しい。
 万全の状態とは言い難い中でのペナントレース再開となったが、優勝を争う上でのライバル・福岡ソフトバンクに3連勝と好スタートを切った。これからも若獅子たちが暴れる姿から、目が離せない!

“赤い旋風”が今ここに復活!

 ことしで3回目となる「ライオンズ・クラシック 2010」が6月26日からスタートする。ライオンズ・クラシックは1950年の球団創立当時からライオンズが歩んできた歴史を紐解き、ファンにライオンズに対する愛情を高めてもらおうという夏の一大イベント。今回、スポットを当てるのは、球団存続の危機に立たされ、もがき苦しんだ「太平洋クラブライオンズ」(1973〜76年)。ライオンズと言えば、西鉄ライオンズや80年代の西武黄金時代などがクローズアップされがちだが、まばゆい光の裏には同じだけの陰があることも忘れてはならない。選手たちは赤を基調とした復刻ユニフォームでプレーするほか、ライオンズ・クラシックにちなんだイベントやグッズも盛りだくさん行われる。8月29日までの5カード14試合にわたり、西武ドームは赤く燃え上がる!

原稿提供:埼玉西武ライオンズ text by おりはらやすこ
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