エナン敗退 重く響いた不在の1年8カ月=全仏テニス第9日
全仏オープン第9日、3年ぶりの優勝を狙ったエナンだったが、昨年の全仏ベスト4のストーサーに逆転負けを喫し、準々決勝進出はならなかった 【Getty Images】
エナン不在の間、急成長したストーサー
先月のシュツットガルト決勝で両者は対戦し、フルセットを制したエナンが復帰後初優勝を果たした。そんなストーサーをエナンは決して侮ってはいなかったはずだ。
2008年5月、4連覇のかかった全仏オープンの直前に引退したエナンがツアーを離れていた期間は1年8カ月。ほんのわずかな時間のようだが、テニス界の移り変わりはめまぐるしい。この間に急成長した選手の一人が、遅咲きのストーサーだった。
エナン引退の衝撃がくすぶる2年前のローランギャロス、ストーサーはワイルドカードとして出場していた。世界ランクは149位。07年には20位台まで達したにもかかわらず、ウイルス性の疾患が原因でその年の全米オープン以降を棒に振ったためだ。しかしそこからじわじわと復活を遂げたストーサーは昨年の全仏ベスト4で脚光を浴びた。
「相手が素晴らしかった。私には自信を取り戻すのにもう少し時間が必要」
エナンは相手を讃えた上で、自身の不完全さを語った。全盛期のころと何ら変わりないテニスのように見えても、内面的には失われてまだ埋まらない部分がある。メンタルの作用が大きいと言われるクレーでそれが出た。
伊達を下したグロースは4回戦敗退
しかしそんな「たら・れば」はツアーにちりほども存在する。現実を見るしかない。
男子はほぼ順当だが、フェルナンド・ベルダスコ(スペイン)がニコラス・アルマグロ(スペイン)から初黒星を喫したことが、この先どう影響するだろうか。次の相手はラファエル・ナダル(スペイン)だから重大だ。
<了>
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