韓国プロ球界で活躍する2人の日本人投手=門倉健、岡本真或リポート
絶対的抑えとして君臨する岡本
今季から韓国プロ野球に移籍した岡本。不動の守護神として防御率0点台と安定した成績を残している 【提供:LGツインズ】
「数字的には満足していますけど、シーズン序盤はボールが定まらないことが多々ありました。振り返ると、そのころは上半身と下半身のバランスが合っていなくて、(軸足の)右足で押していけなかったですね。でも今はだいぶ修正できつつあります」
岡本とバッテリーを組む、元韓国代表捕手・趙寅成は岡本についてこう話す。
「球は速くないけど、制球力がいい。タテのスライダーやフォークの角度もいいです。それだけにワンバウンドを止めるのに苦労しています。しかし、4つの球種の中からその日のいいボールを選んでリードできるので、とても組みやすいピッチャーです」
最近の岡本は直球にも力が増してきた。
「4月は寒くて、気温1、2度の中で投げるという初めての経験もしました。そのころはとにかくがむしゃらに『打てるものなら打ってみろ』と気持ちで抑えていきました。最近は暖かくなってきて下半身が安定したことがボールの切れにつながっていると思います」
チームの成績が下降線をたどり、登板機会は決して多くないが、岡本はLGの絶対的抑えとして君臨している。
30代後半を迎えるも、新天地で活躍する門倉と岡本。この2人と中日でプレーし、現在、サムソンで投手コーチを務める落合英二は両投手についてこう話す。「韓国では2人とも『制球力がいい』と評価されています。これは日本でチャンスがない選手にも、伸びしろはまだあると期待を持たせてくれるでしょう」
「今まで見たことがないようなタイプのピッチャーやバッターがいて、パワフルでありながら、中には金泰均のような高い技術を持った選手がいます」(門倉)
「守備や走塁など雑な面もあるけど、代表選手クラスはレベルが高い。日本との違いは選手層の厚さでしょう」(岡本)
2人がこう語る日韓の差。「門倉と岡本は韓国では活躍できる」と見るか、「門倉と岡本が韓国で復活した」と見るか。それを探るには東京から飛行機でたったの2時間半、空前の野球人気に沸く韓国で直接確かめてもらいたい。
(記録は5月16日現在)
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