明暗分かれたドラフト候補同士の投げ合い=東都大学野球リーグ・リポート

スポーツナビ
 中大・澤村拓一(4年=佐野日大高)、立正大・南昌輝(4年=県和歌山商高)のドラフト候補2投手の対戦が20日、実現した。両投手は澤村が「投手としては南の方がレベルが上。でも試合では負けないようにと思っていた」、南も「相手が澤村だし、(前回登板で打たれて)野手に申し訳ないので勝ちたいと思って投げた」とお互いを意識しての登板。結果は澤村が自責点1ながら3回5失点で敗戦投手、南が2失点で完投勝利と明暗がくっきりと分かれた。試合は6対2で立正大が勝利した。

澤村「勝てなかったのがすべて」

 ドラフト1位候補の呼び声も高い156キロ右腕・澤村は初回から150キロ台を連発し、2回までは3人ずつで打ち取ったが、3回にストレートを狙い打たれた。味方のエラーもあり1死満塁のピンチを背負うと、中嶋達也(3年=銚子商高)の逆転タイムリーなど3連打を含む4安打を集中され、一挙5点を失った。「1、2回はストレートのコントロールが良かったんですけど、3回は高かったと(捕手の)鮫島(哲新・4年=鹿児島工高)にも言われました。追い込んでから低めに変化球を投げないと」と突如乱れた制球を悔やんだ。結局、この日は3回45球を投げ、4安打1四死球5失点1奪三振。最速は152キロだった。
 自身の乱調でチームが初黒星を喫し、「勝てなかったのがすべてです」と唇をかんだ澤村。しかしすぐに前を向き、「まだ2カ月(のリーグ戦)で1敗しただけ。ハングリー精神を持ってしっかりやり返したい」と巻き返しを誓った。高橋善正監督も「(自分が発破をかけて)気を引き締めたってしょうがない。本人がどうするか」とエースの奮起を期待していた。

南、打者を詰まらせる投球で完投勝利

 152球の熱投で今季初勝利を挙げた南は、「まだ修正する点はあるんですが、気持ちで勝ちました」と笑顔。味方のエラーで先制を許す苦しい展開にも気持ちを切らさず、7安打3四死球2失点(自責点1)3奪三振の内容で勝利を引き寄せた。この日は最速146キロと、MVPを獲得し優勝の立役者となった昨秋のような150キロ超の速球は見られなかったが、「球速よりノビを意識しています。スピードが出ていないなかで打者を詰まらせる投球は澤村より上と思っています」と少し照れながら自分の投球を振り返った。チームは開幕カードで勝ち点を落としているだけに、「明日も準備して、(勝ち点を)決めたい」と力強く宣言した。

<了>
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント