ボーフム新監督の信頼を得つつある小野=ブンデスリーガ第15節プレビュー

2試合連続フル出場の小野

ケルン戦の後半、競り合うボーフムの小野(中央)=ボーフム 【共同】

 ドイツ・ブンデスリーガは12月4日〜6日、第15節の9試合が行われる。小野伸二が所属するボーフムは、アウエーでシュツットガルトと対戦。長谷部誠のボルフスブルクはホームにフライブルクを迎える。

 ボーフムの小野は第13節のハンブルガーSV戦(1−0でボーフムが勝利)、前節のケルン戦(0−0)と、2試合連続でフル出場中。ケルン戦では前半は攻撃的MF、後半はボランチの位置に下がり、フリーキックでは数少ないチャンスを演出するなど、攻守にわたって活躍した。
 しかし、ボーフムは相変わらずチーム状態が好転せず、第14節を終えて16位と低迷している。前節は、ドイツ代表ルーカス・ポドルスキを累積警告で欠くケルンがいつも以上に決め手を欠く中、ハンブルガーSV戦に続く勝ち点3獲得のチャンスだったが、なかなかシュートまでもっていけなかった。ホームで残留争いのライバルと勝ち点を分け合ったのは、最低限の成果と言わざるを得ない。

 10月27日にハイコ・ヘルリッヒ新監督が就任してから4試合を終え、スロバキア代表のスタニスラフ・セスタク、クリストフ・ダブロフスキ、そして小野の3人が、前線から中盤のメンバーとして固まってきた感がある。小野は、11月1日のフランクフルト戦で退場となり、翌節のフライブルク戦は出場停止となったが、それ以外は新監督のもとでフル出場を果たしている。負傷者が出ていたことも一因だろうが、ヘルリッヒ監督は今のところ小野を重要な戦力として見ているようだ。

 ボーフムの主な問題は、リーグワースト3位タイの25失点という守備の不安定さ。フランクフルト戦で小野が受けた1枚目のイエローカードは、味方ディフェンスが裏を取られて危険な突破を許したところを、無理に止めにいかなければならなかったという状況があった。小野が本来の攻撃力を生かせるように、守備陣の落ち着きが望まれる。
 今節の相手はシュツットガルト。昨季3位のチームだが、今シーズンは残留争いに巻き込まれている。エースのマリオ・ゴメスがバイエルンに移籍した上、世代交代を進めている中、十分な戦力が整わないままチャンピオンズリーグ(CL)とリーグ戦の過密日程で苦しんでいるように見える。前節のケルン同様、攻撃陣が好調とは言えない相手に対し、今度こそ小野が持ち味を出せる機会が増えることを期待したい。

マンU戦を控えるボルフスブルク、長谷部の出場は?

 前節、主将のジョズエを累積警告で欠いたボルフスブルクは、2位ブレーメンとのアウエー戦を2−2で引き分けた。ニュルンベルク戦、CLのCSKAモスクワ戦と連敗し、モスクワから失意の帰国となったボルフスブルクのイレブンにとって、連戦による疲労と戦いながらの過酷な一戦となった。

 長谷部はフル出場したCSKAモスクワ戦から中2日ながら、ジョズエに代わりボランチとして試合終了直前までプレーした。前半には相手シュートをゴールライン上でクリアするなど、守備で貢献。日本代表でもこなしているポジションだけに、90分に退くまで安定感のあるプレーを続けた。チームは85分、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表のエディン・ジェコがこの日自身2点目を決め、2−1とリードを奪った。しかし、長谷部が退いた後半ロスタイム、ボルフスブルクは微妙な判定でコーナーキックを奪われ、ジェコにやられていたドイツ代表DFペア・メルテザッカーがリベンジを果たすヘディングシュート。この同点ゴールで、ブレーメンは第2節から続く無敗を守った。

 この試合、長谷部のライバルであるアルジェリア代表のカリム・ジアニは右サイドで先発した。1点目のジェコの個人技による得点に絡むと、2点目はジェコへのアシストを供給するなど、攻撃面で印象を残した。元デンマーク代表のトマス・カーレンベリは途中出場。10分強と短いプレー時間だったが、ボールタッチが多くなってきて徐々にチームに順応している印象だ。

 8位のボルフスブルクは今節、13位のフライブルクとまみえる。ボーフムと同じくリーグワースト3位という失点の多さに苦しむ中、CLを含めると3試合勝ち星がないボルフスブルクにとっては正念場となる。長谷部をみたび先発起用して安定感重視という考えもあろうが、ボランチにはジョズエが戻ってくる。ミッドウイークの8日には、CL決勝トーナメント進出を懸けた大一番、マンチェスター・ユナイテッド戦を控えることを考えると、カーレンベリ、ジアニ、あるいはここ2試合出場機会がないアシュカン・デジャガら攻撃的オプションに右サイドを委ね、長谷部温存という選択肢もあり得るだろう。いずれにしても、主将欠場の絶体絶命のピンチを救って信頼感を高めた長谷部は、この連戦でも重要な役割を担うことになるだろう。

<了>

ブンデスリーガ フジテレビNEXT・ONE放送予定

 CS放送フジテレビNEXT・ONEではドイツ・ブンデスリーガ09−10シーズンの日本人選手出場予定試合など注目のカードを毎節放送中。12月5日(土)深夜には、ボルフスブルク対フライブルクを生中継。また、シュツットガルト対ボーフムを録画中継でお送りします。詳しい放送スケジュールは番組オフィシャルホームページをご覧ください。
 またサッカー番組放送予定の「特集ページ」もぜひご覧ください。
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