岡田監督「これからは特徴のある選手を探していく」=日本代表メンバー発表会見 

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トーゴ戦は現状でのベストメンバーで臨む予定

「トーゴ戦は現状で考えられるベストメンバーで」とプランを明らかにした岡田監督 【スポーツナビ】

――スコットランド戦、トーゴ戦についてはどのようなイメージで戦うのか?

 スコットランド戦は香港戦から中1日の試合なので、香港戦に90分出た選手は使うことは考えていません。親善試合で無理をさせてけが人を出すのは避けたいという気持ちがあります。それ以外の選手、または遅れて合流する鹿島、川崎の選手を混ぜて、香港戦に出ていない選手で戦っていきます。
 トーゴ戦に関しては、両試合を踏まえてできるだけ現状でのベストと思われるメンバーでと思っています。ただ、試合の流れによっては、もうちょっと試してみたい選手、期待している選手を使うことはもちろんある。今のところ、自分の中ではそう予定しています。

――スコットランド、トーゴをどう評価しているか?

 スコットランドはワールドカップ予選敗退が決まったので、今のところメンバーがはっきりしていない。われわれとしては予選を通った状態で来てもらいたかったんですが。監督はそのままらしいが、選手は何も分かっていません。ただ、戦い方は恐らくそんなに変わるものではないだろうと。シンプルにショートパスをつなぎながら外からクロスを上げてくるという戦い方は変わらないと思います。これに対しては、どこに対してもですが、われわれのやってきたことが目標に対して間違ってなかったと確信を持っているので、いつもと同じような戦い方でいきたいと思っています。

 トーゴに関しては、カメルーンとの予選が終わってそのままのメンバーで来てくれると聞いています。ただ、日程的にコンディションがベストで来れるかと言われると、そうでもない可能性がある。でも、身体能力が高いチームなので、ガーナ戦での問題点、ロングボールへの対処をシミュレーションできればと思っています。


――以前の会見で「9月と11月は欧州組を呼べるが、10月は日程的に厳しいので国内組を試したい」と言っていたように思うが、今回欧州組を呼んだのは何か心境の変化があったのか?

 たぶん、それはあなたの聞き違いだと思います(笑)。周りの記者の方に聞いていただければ分かると思いますが、9、10、11(月)、年内しか海外組は呼べないと。だからこの3カ月は海外組を呼んでテストしたいということは、はっきり言っていました。ただ年が明けて、イエメンとのアジアカップ予選はインターナショナルマッチデーですけど3日しかないので、ここは海外組はきついと。そうなると本大会直前の5月まで海外組は呼べなくなる、というふうに話していたと思います。だから何も(心境は)変わっていません。

佐藤寿人のゴール前での鋭い感覚はすごいものがある

――久々に復帰した徳永と佐藤についての評価は?

 徳永に関しては、ファーストランクのチームとやったときに、最後のところでのフィジカルの強さというものをどうしても求められると。そういう中で、ディフェンスのポジションであればどこでもできる。オールラウンドであって、フィジカルが強い徳永という選手に、もう一度チャレンジしてもらいと思って呼びました。

 それから(佐藤)寿人に関しては、最後の10分でどうしても点が取りたいというとき、まあJリーグをずっと見てきて、僕はほとんどビデオで全試合を見るんですけど、彼のゴール前での動き出しの鋭い感覚、これはほかの選手にない、すごいものがあるなと感じています。点をたくさん取る中で、こぼれ球から取る選手もいるんですけど、彼の場合、自分で(チャンスを)作り出しての点が多いので。そういう意味で、今までは興梠なんかにチャンスを与えてきたんですけど、なかなか結果が出なかったので今回は――興梠はまだ若いですし、これから必ず日本の中心になってくる選手ですけど、一度ここで佐藤寿人にチャレンジしてもらおうと。

――監督はずっとコンセプトという言葉を使ってチーム戦術を重視してきたが、今回新しく呼んだ選手に関しては、そういったことの枠外に置いてスペシャリティーを期待しているのか?

 サッカーというものは、そうやってなかなか割り切れるものではなくて、彼らには枠外に置いてこれだけのことを期待するとかではなくて、全員に同じくらい期待しているんですけど。戦術というものは非常に大事なものですが、サッカーではそれがすべてということではなくて、戦術を理解していないとサッカーができないのか。サッカーというものは、ものすごくシンプルなもので、マイボールのときには相手の方に攻めていって、相手ボールのときにはボールを奪いにいくと。単純なことで、わたしが言っているコンセプトというものも、何か初めて聞くとか、非常に難しいものとかではないです。

 そういう意味で僕は、日ごろ出ていない選手をコンセプトにおいて劣っているとは思っていないんですが、ただお互いを知り合う、プレーのくせとか、そういう面においては、やはり日ごろやっている選手の方が少し進んでいる可能性はあると。その意味で、今度新しく来た選手も「われわれのチームはこんなことをやるんだ」「ほお、そうか」と思ってできることなので、それをやってもらって、1回でも2回でも息のあったプレーが出てくればいいかなと。

 だから今回呼んだ新しい選手も、スペシャリティーだけを要求するのではなくて、チームの一員となってもらいたい。今までいた選手も、当然スペシャリティーを出してもらわないといけないところもある。そういう意味で、わたしは割り切って「この選手はこういうふうに」と、区別をつけているわけではないです。

――平山(FC東京)については、今回、頭に入っていたのか?

 今までいた選手で落としたことについては、ある程度しょうがないと思うんですけど、わたしが呼ばなかった選手のことをコメントすることは不適切だと思いますし、何百人もコメントしなくてはならなくなるので、呼んでない選手についてコメントする気はありません。ここに呼んでいる選手が今、わたしが必要としているメンバーだということです。

――明日(2日)、コペンハーゲンで五輪招致が決まるが、東京に決まるようなエールをいただきたい

 東京五輪については、われわれとまったく関係がないわけではなくて、東京五輪が来ることによってメーンスタジアムができれば、サッカー協会が目指しているワールドカップ招致も、より実現性が高くなることなので、サッカー界を挙げて東京五輪招致が成功することを祈っています。もちろん、わたしも祈っていますし、ただまあ鳩山首相が行くから、わたしがエールを送らなくても大丈夫だと思っています。

<了>

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