元賞金女王の村口史子さん「とにかくグリーンが難しい!」=全米女子オープンゴルフ見どころ

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宮里藍は好調をキープ、不動にとってはタフなコース

――日本人選手は、7人参加しますが、練習を見ていて調子が良さそうな選手はいましたか?

 やっぱり宮里(藍)さんですね。今シーズンは春先から安定していて、調子を維持しているようです。今日の練習でもいいリズムで打てていました。
 ホールアウト後のインタビューでも「チャンスがある」と答えていたので、不安要素はないのかなという印象です。それに、こういうタフなコースが得意な彼女なので、期待はしたいです。

――宮里選手同様に、米ツアーに参加している上田桃子選手はどうでしたか?

 上田さんはちょっと心配。パッティングに難があるみたいですね。江連(忠)コーチと練習ラウンドのスタート前から話していたんですが、あんまりいい感じで打てていなかったようです。ちょっと、ベストではない状態ですね。

――大山志保選手はどうでしたか?

 大山さんは、アプローチのコーチを付けて練習ラウンドを回っていました。彼女は2年前ぐらいからアプローチに自信がなかったようで、今回は大きな大会なので、コーチを付けてかなり念入りに練習をしていましたね。
 私が見ている限りでは、ショットの感じは前に比べて上体の力が抜けていて、良かったかなと思います。

――昨年の全英リコー女子オープンで、一時単独首位に立ち、最終的に3位に入る活躍を見せた不動選手はどうでしょうか?

 不動さんは、「こういう難しいコースを回れて、私は幸せ者ですね」と話していました。それが、投げやりのような、うれしいような、印象でした。
 昨年の全英リコー女子は距離のないコース(6408ヤード、パー72)でしたが。今回は不動さんにとって、距離的にタフなコースだと思うんですよ。私が今まで見た中でも、一番難しいグリーンだと思うので、そこでどうやっていくのかなと。ただ、結構彼女は、本番になったら淡々とプレーをしていくと思いますね。

まったく読めない優勝争い 最後の最後まで目が離せない!

――優勝争いについてですが、今季の女子メジャーはブリタニー・リンシコム選手(米国)、アンナ・ノードクイスト選手(スウェーデン)と、ある意味伏兵的な選手が優勝しています。今大会も優勝者はなかなか読めないと思いますが、注目選手はいますか?

 優勝ですか……。飛距離がある選手が有利と思うのですが、ただ、あのグリーンを見てしまうと、やっぱりアプローチからパッティングまで、すべてがいい選手じゃないと勝てないだろうなと思います。ですので、今のところ名前を挙げることはできませんね。
 今回は、メンタル的にも強い選手が勝つと思います。

――現在、米女子ツアーの賞金ランキングトップには申智愛選手(韓国)が立っていますが、昨年の全英リコー女子に続く、メジャー2勝目の可能性はありますか?

 そうですね。彼女は、ドライバーがほとんど曲がらないし、アイアンの距離感もいいので、結構いいところに行くと思いますね。あとは、グリーン上での勝負ですよね。

――では、現在世界ランクトップのロレーナ・オチョア選手(メキシコ)はどうですか?

 やっぱり、メジャーに懸ける意気込みが強い選手ほど勝つと思うんですよ。彼女もここで勝ちたいという気持ちは強いと思うんですよね。
 この難しいグリーンだから、精神的にどう自分をコントロールできるかですね。

――最後になりますが、今大会一番の見どころは?

 やっぱりグリーン上ですね。グリーンが小さくて、マウンドや段があります。テレビでも「そこにカップがあるのに、そっちを向くの?」と思うようなシーンも出てくると思います。最終18番ホールも、距離も440ヤードと長く、グリーンも途中にくぼみがあるような少し変わった感じです。そこをプレッシャーがかかっている状態で、アプローチやパッティングで、どう選手が攻めて来るかが、ゴルフファンには見てて楽しくなると思いますね。

<了>

【(C)AnZM】

村口史子/Fumiko Muraguchi

1966年8月30日生まれ。東京都出身。90年にプロ入りし、91年にはツアー初優勝を果たす。また、99年には年間3勝を飾り、見事その年の賞金女王に輝く。2004年シーズン終了後、現役を引退。その後は、テレビ解説やリポーターとして活躍。今回は、テレビ朝日系列で放送される「全米女子オープンゴルフ」の現地ラウンドリポーターとして、熱戦の状況を伝える。

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