「三沢、ありがとう!」 お別れ会にファン2万5千人=ノア

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北斗「三沢さんの笑顔しか知らない」

沈痛な面持ちで囲み取材に応じる藤波 【t.SAKUMA】

 13時前から各界の関係者が詰めかけ、報道陣の囲み取材に応じた。現在ノアに参戦している夫の健介とともに姿を見せた北斗さんは「王道を守ってきた第一人者。そして“プロレスは怖いものなんだよ”ということを最後に伝えてくれた気がする」と三沢さんが命をかけてリングに立ち続けてくれたことに敬意を表し、「あいさつに行くと、必ず立ち上がって声をかけてくれたし、私は三沢さんの笑顔しか知らない……」と優しさと強さを兼ね備えた三沢さんに思いを馳せ、声を詰まらせた。

 また、タッグ結成と対戦経験もある藤波は「まだ信じられない」と沈痛な表情を浮かべ、「今度はシングルで戦ってみたかった。今はゆっくり休んでくださいと言いたい」と叶うことがなくなってしまった一騎打ちを夢想し、無念さをにじませた。

永田「正面から受け止めてくれた」

盟友・蝶野も参列 【t.SAKUMA】

 新日本プロレスの永田は、ZERO−ONE旗揚げ戦の際に三沢さんと対戦したことが脳裏に焼きついており、「正面から構えて、受け止めてくれた」とリングで対峙した時のことを思い返していた。WRESTLE−1の舞台で対戦したことがある曙は「どんな技をやっても立ち上がってきた」と三沢さんのタフネスぶりに舌を巻き、「さみしい。ゆっくり休んでください」と故人を偲んだ。

 また、同世代の盟友ともいえる蝶野は「あまりにも突然すぎる。夢の中でしか会えないのが現実……プロレス界で、とても大事な選手だった」と静かに語り、三沢さんのモノマネで知られるイジリー岡田さんは「男の中の男でした。ゆっくり休んでください」とあふれ出る涙をぬぐいながら口にした。

追悼興行、ノア新体制は現在のところ未定

百田お別れ会実行委員長が三沢さんの遺影の前で取材に応じる 【t.SAKUMA】

 式終了後、百田が取材に応じ、予想される三沢さんの追悼興行開催など今後に関しては現在のところすべて未定であることを明かした。1時間30分近く終了時間が延び、それでも止むことのないファンの列を目の当たりにし、「より多くの方々に(三沢さんを)送っていただいてよかった」とまずは感謝を口にした百田。翌5日に同所で開催されるノア選手会興行についてもチケットはすでに完売しているとのことで、「新しい旅立ちに向けて意気込みを見せてくれると思う」と三沢さんのいないノアを背負う若手選手たちに期待を寄せた。

 そして三沢さんの追悼興行を開く意思はあるのか問われると、「過去の通例を見ても考えなければいけない。ただ現状のシリーズもあるので、半年とか1年置いていい企画で大きなものができればというのもある。(追悼興行を)できればいいとは思うが、今の段階では未定です」と開催の可能性はあるが、現在のところ具体的には何一つ決まっていないとした。また、ノアの代表取締役社長であった三沢さんの跡を継ぐ人事・新体制についても「まったくの白紙です」と語っている。

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