田澤純一、「光栄でワクワクしている」=有望株集まる球宴フューチャーズ・ゲーム出場へ

カルロス山崎

世界選抜の一員に選出

フューチャーズゲーム出場メンバーに選ばれた田澤 【カルロス山崎】

「どうなんですかね、出たら出たで、いい記念になると思いますけど。だけど、出るためには毎日しっかり練習して、試合でそれなりの結果を出す必要はあると思います。意識はしていないですけど、出られたらいいですね」

 6月20日(現地時間)、メイン州ポートランド。登板を終えたレッドソックス傘下2Aポートランド・シードッグスの田澤純一投手に、オールスターゲーム出場の可能性があるのでは? と尋ねたところ、返ってきた言葉はこんな感じだった。そのくすぐったそうで明るい表情からして、もしかしたら実際は意識しているのか、あるいはオファーが来ているのではと思ったりもした。

 オールスターゲームといっても、田澤の場合、対象となるのは2つある。ひとつは7月15日、ニュージャージー州トレントンで行われる2Aのオールスター。もうひとつは7月12日、ミズーリ州セントルイスで行われるMLBオールスターウィークの一大イベントのひとつ、フューチャーズ・ゲーム。25日、田澤はそのフューチャーズ・ゲームに出場する“2009 WORLD TEAM”に選出された。

「アメリカでプロとして最初のシーズンでこの様な機会がもらえて光栄です。まだ、メジャーの球場で投げた事が無いので、ワクワクしています。マイナーリーグの球場だと照明が少ない所もありますから、メジャーの選手が実際にプレーしている所がどんなところなのか、そこで自分がプレーできる機会を楽しみにしています。アメリカのマイナー選手の中で力のある選手、有望な選手が集まると思うので、そういったバッター達と対戦できる事とか、そういった相手に自分がどういったピッチングできるのか楽しみです」

ソリアーノ、サイズモアらも出場したビッグイベント

 そういえば、登板翌日の21日のこと。ボストン・レッドソックスのクラブハウスで広報から2つの情報が入った。“故障者リスト入りした松坂大輔、チームの遠征には帯同せず”と、“田澤、右ふくらはぎの張りで、7日間の故障者リスト入り”というもの。前夜、ヘッドフォンをつけ、音楽を聴きながら早歩きで球場をあとにする田澤を見届けていただけに、右ふくらはぎ痛は考えにくいことであったが、オールスターゲームでの登板を考慮しての、先発ローテーションの再編成となるとつじつまがあう。本当の理由は分からないが、多分、そういうことではないかと思う。

 フューチャーズ・ゲームは99年から始まった若手有望株によるゲームで、米国選抜と世界選抜(米国籍以外)が相まみえることになっており、世界選抜の初代先発は大家友和(当時レッドソックス、現インディアンス)が務めた。以来、アルフォンソ・ソリアーノ(当時ヤンキース、現カブス)、チェイス・アトリー(フィリーズ)、ホセ・レイエス(メッツ)、グレイディ・サイズモア(インディアンス)らが金の卵であった時代に出場するなど、先物好きのファンには欠かせない一戦だ。今年はセントルイスで開催されるとあって、米国選抜はオジー・スミス、世界選抜はホセ・オッケンド(現カージナルス三塁ベースコーチ)という、かつてのカージナルス二遊間コンビが両監督を務めることになっている。

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著者プロフィール

大阪府高槻市出身。これまでにNACK5、FM802、ZIP-FM、J-WAVE、α-station、文化放送、MBSラジオなどで番組制作を担当。現在は米東海岸を拠点に、スポーツ・ラジオ・リポーター、ライターとして、レッドソックス、ヤンキースをはじめとするMLBや、NFL、NHLなどの取材活動を行っている

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