勝負強い打線の法大、強力投手陣の東洋大など=全日本大学野球選手権・出場校紹介

矢島彩

東北福祉大は今大会も優勝候補

前回大会の覇者・東洋大は、強力な投手陣で2連覇を狙う(写真は前回大会) 【島尻譲】

東海大北海道(8年ぶり4回目/北海道学生)
 原動力は181センチ右腕・久保貴広投手(4年=前橋育英高)の台頭。7勝6完投という抜群の結果を残したことに尽きる。プレーオフを含め3連投も経験し、スタミナも十分。リーグの最高戦績は同校が北海道東海大だった前回記録した3回戦進出。新しい呼称で歴史を塗り替える。

道都大(2年連続3回目/札幌学生)
 小屋畑尚哉主将(4年=室蘭大谷高)など昨年の全国経験者が多く残った。新戦力は、打率4割7分1厘で首位打者の佐藤拓真外野手(2年=駒大苫小牧高)。エースに成長した右腕・若杉健投手(2年=留萌千望高)はスライダー、カーブを駆使して今季4勝を挙げている。

富士大(12年ぶり6回目/北東北大学)
 リーグ通算25勝の守安玲緒投手(4年=菊華高)が頼もしい。MAX144キロのストレート、スライダー、フォークなど、いずれも制球力が光る。ブラジル国籍のジェゴ・エンヒケ・フランサ捕手(4年=八王子実践高)とのバッテリーも注目。監督は社会人でも活躍した青木久典監督。神宮でも花巻旋風を起こす!

東北福祉大(3年連続26回目/仙台六大学)
 昨秋の神宮大会準V校。今大会も優勝候補の一角を担う。来年のドラフト候補、桑鶴雄太投手(3年=光星学院高)と森山一茂投手(3年=楊志館高)は2人で8勝。打率4割6分2厘で首位打者の舟田博紀内野手(4年=聖光学院高)、高橋平外野手(4年=埼玉栄高)も健在だ。リーグ戦で不安を残した守備を徹底したい。

石巻専大(3年ぶり3回目/南東北大学)
 大黒柱・相沢晋投手(4年=巻高)はリーグ戦全11試合に先発登板。171センチのタフネス右腕は、8完投を数え、2日連続完投も珍しくない。見形和樹内野手(3年=明徳義塾高)は見形仁一監督の次男で、攻撃の要。“乾坤一擲”のスローガンのもと、全国2勝目を目指す。

白鴎大(4年ぶり2回目/関甲新学生)
 持ち味は打線のつながりの良さ。中島ユン外野手(3年=羽黒高)、堀周平内野手(4年=三田学園高)など上位から下位まで勝負強い打者が並ぶ。主砲・塚田正義内野手(2年=古河一高)は3本塁打をマークした。元千葉ロッテの藤倉多祐監督は、系列校・足利学園高(現・白鴎大足利高)出身だ。

国際武道大(3年ぶり15回目/千葉県大学)
 左腕・福田勇人投手(4年=東海大菅生高)、右サイドスロー・梅野無我投手(3年=福岡工大城東高)を擁する。藤井敬之外野手(3年=東海大菅生高)は出塁率、打点も稼ぐ嫌らしいトップバッター。不安を抱える守備が試合のカギを握る。また、独特の応援にも注目だ。

日本一狙う東海大は2枚看板が君臨

創価大(6年連続17回目/東京新大学)
 リーグ戦6勝無敗の右腕・大塚豊投手(4年=創価高)が大黒柱。伝家の宝刀・フォークが冴える。花山貴志外野手(4年=愛工大名電高)、今季打率5割の田上健一外野手(4年=創価高)など、経験豊富な野手ばかり。1勝して、昨秋の神宮大会で1安打完封を喫した東北福祉大にリベンジにしたい。

法大(3年ぶり20回目/東京六大学)
 トップバッターの亀谷信吾外野手(4年=中京大中京高)は出塁率5割超。6番・多木裕史内野手(1年=坂出高)まで一発のある勝負強い打者が並ぶ。150キロ右腕・二神一人投手(4年=高知高)以外の先発陣がどこまで試合をつくれるか。投手起用、継投のタイミングが勝負を分ける。

東洋大(3年連続8回目/東都大学)
 史上初の4季連続全国制覇に挑む。先発の乾真大投手(3年=東洋大姫路高)、藤岡貴裕投手(2年=桐生一高)、そしてリリーフに鹿沼圭佑投手(3年=桐生一高)、内山拓哉投手(2年=浦和学院高)という強力投手陣。12打点の林崎遼内野手(3年=東洋大姫路高)は要警戒。

東海大(12年連続32回目/首都大学)
 狙うは昨年越えの日本一しかない。ことしは高山亮太投手(3年)、菅野智之投手(2年)の東海大相模高出身2枚看板が君臨。今季からマスクをかぶる鈴木翔捕手(2年=春日部共栄高)は強肩で将来性豊かだ。坂口真規内野手(智弁和歌山高)、赤間謙投手(東海大山形高)など1年生も大きな戦力になっている。

桐蔭横浜大(初出場/神奈川大学)
 創部4年目での初出場。リーグ戦では神大、横浜商大との三つ巴の優勝争いを制した。左右に個性的な投手がそろっている。エースは昨年から右腕・東明大貴投手(2年=岐阜・富田高)が務める。リリーフエース・丸山創投手(3年=PL学園高)へのリレーが勝利の方程式だ。丸山投手は軟式野球部出身という経歴を持つ。

中京大(5年ぶり17回目/愛知大学)
 一昨年秋の神宮大会で中継ぎで好投した、武藤好貴投手(4年=札幌藻岩高)と上杉芳貴投手(3年=豊田西高)が先発として戻ってくる。タイプの異なる2人。武藤投手は140キロ超のストレートとフォークを丁寧に投げ分ける。強気の上杉投手は「神宮のマウンドは投げやすい」と登板を待ち望んでいる。

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著者プロフィール

 1984年、神奈川県出身。『アマチュア野球』、『輝け甲子園の星』『カレッジベースヒーローズ』(以上、日刊スポーツ出版社)や『ホームラン』(廣済堂出版)などで雑誌編集や取材に携わる。また、日刊スポーツコム内でアマチュア野球のブログを配信中

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