『カナ・スマイル』、再び。=バレーボール・大山加奈インタビュー
バレーボールができる幸せを感じて
手術をするかどうかのときも、未希は「絶対、大丈夫だよ」と言ってくれました。一番近くで見てくれている未希がそう言ってくれるのなら、本当に大丈夫そうな気がしてきたんです。
でも、わたしがコートに立つときは、同じポジションの未希との交代になるんです。自分が出られなくなるのに、練習を最後まで付き合ってくれるし、すごく応援してくれる。ありがたいなと思っています。
――これから、第二章の始まりですね。
一度、全日本からは離れます。一日でも早く、全日本でやれるという自信をつけて戻ってきたいなと思います。ただ焦っちゃ駄目ですね。早く試合で戦いたいという気持ちはありますけども、一日一日を大切にやっていきたい。トレーナーや監督さんと相談しながら、頑張りたいと思っています。体力的にも技術的にも充実して、リーグで結果を出していけば、(ロンドン)オリンピックは見えてくると思います。
――新たな夢は、なんですか。
ゆ・め(夢)、ですか。バレーボールができるのが当たり前じゃなく、それはすごく幸せなことなんだなと感じています。自分ひとりだったら、こうして復活できませんでした。この感謝の気持ちを忘れずに、楽しくプレーしていきたいと思います。
<インタビューを終えて>
そんな感想を漏らすと、大山加奈さんはころころと笑った。「そうですね。あのころは最低だったなあ。いまはもう乗り越えました」。目に力もある。つまりはポジティブなのだ。
そういえば、がらんとした体育館に入ってきたときのことだ。加奈さんが、2つのコートの間に置かれたインタビュー撮影用のパイプいすに向かってきた。そのとき、なんとコートを避けるように、ラインの外を遠回りして歩いてきた。一度はもうできないかもしれないと覚悟したバレーボールに対する深い愛情を感じたのだった。
<了>
BS日本テレビ『BSスポーツ LIVE&DREAM』
<BS日本テレビ『BSスポーツ LIVE&DREAM』(毎週土曜日22:00〜)放送>
<放送予定>
■09年05月23日(土)バレーボール・大山加奈
■09年05月30日(土)陸上・都留文科大学女子リレーチーム
■09年06月06日(土)神戸9クルーズ(プロ野球 関西独立リーグ)・吉田えり