谷津嘉章が明かす“地獄のど真ん中”WJ一部始終=kamipro発

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WJに深く関わった谷津嘉章がWJの真実を赤裸々に語りまくり 【kamipro】

 いろんな意味で伝説となっているプロレス団体WJ。崩壊から約5年の月日が流れているWJだが、今年2月に別冊宝島から出版された『プロレス下流地帯』にて取り上げられた崩壊後の裁判騒動や実録劇画などにより、再び注目を集めている。今回は『kamipro』のご意見番にして、WJに深く関わった谷津嘉章がスキャンダラス団体WJの真実を赤裸々に語りまくります!

ジャパンプロレス、SWS…いつも俺は渦中にいた

【kamipro】

谷津 今日のテーマはなんなの?

──今回はですね、谷津さんにWJ崩壊の真実を赤裸々に語っていただければと思ってます!

 WJ!? なんで今頃WJなんだよ。

──いや、別冊宝島で『プロレス下流地帯』という本が出まして、その中でWJ崩壊にまつわる裁判記事や劇画が掲載されていて、なかなか評判なんですよ。劇画には谷津さんも登場してます(笑)。

 (本をパラパラめくって読み始める)なんだこりゃ。勝手に俺が使われてるよ(笑)。

──あ、無許可でしたか(笑)。谷津さんといえば、WJを退団する直前に『東スポ』の一面で内幕を暴露されていたりもしましたよね。

 いや、俺は聞かれたから答えただけで暴露したつもりはないぞ。

──し、失礼しました(笑)。

 まあ、結局、俺と長州さん絡みっていうのはWJだけじゃなくていっぱいあるわけだよな。ジャパンプロレスもそうだし、(ジャイアント)馬場さんのところもそうだし、あとメガネスーパー(SWS)のときとかさ。いつも俺、あの頃は渦中にいたからな。

――渦中のド真ん中には谷津さんがいたというか(笑)。

 そう。キーポイントにいるんだよ、俺は。だから引退したらまとめて、「あの頃は」っていう感じで本でも出そうかと考えてるんだよ。『kamipro』さんにお願いしてな(笑)。

――ゼヒまとめて出しましょう!(笑)。でもSWSのときは待遇面でいい思いもされていると思うんですが、WJでは谷津さんはあまりいい思いはされてないんですよね?

 全然してねえよ。まあでも、WJに関してはね、やっぱり長州さんっていうのは、ある意味では俺の兄貴分なんだよね。新日本に入ったときから同じ穴のムジナだったしね。

──同じ穴のムジナ?

 ムジナっていうか、出元が一緒でしょ。アマレスやってたから。彼は専修で俺は日大だったけど、年も4つ違いでね、兄貴分みたいなもんだよ。ところがプロレスに入って最初の頃は、まだ彼は吉田光雄だったんだよ。要するにアマレスに近かったの、匂いが。

──デビュー当初は本名の吉田光雄として闘ってましたからね。

 そうだよな。まだ、いまみたいな髪型もしてなかったし。それがメキシコ行って長髪になってかませ犬発言してから変わったわけですよ、彼は。

――吉田光雄から長州力へと変わったわけですね。

 そう。それでバーッとブレイクしたわけだよ。あの荒削りのプロレスが。業界ではあれは、しょっぱいって言われてたんだよ、ホントは。

――いわゆる“ハイスパート・レスリング”ですよね。

 あれがまたウケたわけだよな。何がウケるかわからないけど、そういうウケる素質は確かにあったんだよ。でも、俺はそれまで長州さんとは別の路線を走ってたわけ。要するに俺のほうがもうちょっと待遇のいい路線を歩んでたんだよ。記者会見とかにしてもそうだったし。

気がつけば維新軍!

──谷津さんはデビュー戦から猪木さんと組んでアブドーラ・ザ・ブッチャー&スタン・ハンセンが相手でしたからね。

 まあ、ボロボロにされたけどな(苦笑)。ところが長州がブレイクしちゃったもんだから、俺は同じ穴のムジナだから、会社の人間にそっちにつかされちゃったの。

──あ、会社サイドの要請で長州さんたちと一緒にやっていくことになったんですか?

 そうだよ。気がついたら俺、維新軍になってたんだから。

──気がついたら維新軍(笑)。

 そういうこと。まあでも、その頃は本隊と離れて行動してたんだけど凄く楽しかったよ。堅苦しくもないし。それでやってるうちにブレイクしすぎちゃって維震軍がもっともっと巨大化しちゃったんだよな。

──一大勢力になりましたよね。

 そこで長州さんは駆け引きしちゃったんだよね。お金の面とかでもな。で、そこから全日本に行ったり、また新日本に戻ったりといろいろあったんだけど、結局、俺は新日本に戻らなかったでしょ。

──そうですね。全日本に残ったかたちになりましたよね。

 そのときだって池尻で1日監禁されちゃったりして大変だったんだから。

──か、監禁されてましたか(笑)。

 笑い話じゃねえよ(笑)。まあしょうがないから、こっちも一回「うん」って言ったんだけど、結局は行かなかったから「アイツは裏切った」ってなったの。それで、マサ(斎藤)さんなんかと名古屋かどっかでみんなは合流したんだけど、俺は長州さんたちとはそれで一回別れたんだよ。まあ、そのあとも昭和維新軍だなんだってあったけど、ほとんど話しもすることがなかったからな。

経営があまりにも幼稚で杜撰だったから…

WJ旗揚げを機に長州と和解した谷津だったが…… 【kamipro】

──それがまた、どういう経緯でWJで合流することになったんですか?

 まあ、WJの話が出てきて、もう1回、長州さんと一緒にやるようなタイミングになったから、今度は和解しようと思ったの。

――数年間、距離があったけれども、WJ設立を機に和解しよう、と。

 そう。WJではフロントに永島(勝司)さんがいたけど、高田龍ってのもいたのよ。

──高田龍さんはSPWFのフロントとして谷津さんと一緒にやられていた方ですよね。

 そうそう。高田龍はSPWFの広報部長だったから。それが新日本プロレスで平成維震軍がやってた頃、永島さんと高田龍はけっこう交流があったの。そういう関係もあって、長州さんから「悪いけど出てくれない?」って言われて何回か新日本に出たりしたんだよ。

――じゃあ、谷津さんがWJに関わるようになったのは長州さんより高田龍さんの存在が大きかったわけですか。

 う〜ん、そこが難しいところで。厳密に言うと高田龍をWJに引っ張ったのは俺なんだけど、まあ流れはいっぱいあったんだよ。

――そうですか。高田龍さんはWJではどんな役職に就かれていたんでしたっけ?

 高田龍はWJでは常務取締役だったんだよ。

――かなり重要なポジションだったんですね。

 そうそう。SPWF時代とは立場が逆転しちゃったけど(笑)。結局、永島さんとの関係だよな。俺はその頃、SPWFの営業なんかもずっとやってたんだけど、俺についてくる若い連中もいっぱいいたんだよ。

──のちにWJ入りする高智政光選手とかですね。

 そうそう。「おまえらチャンスほしいか?」って聞いたら「お願いします!」って言うから、高智と宇和野(貴史)を連れていったわけだよ。

──たしか、宇和野選手は当時はIWAに所属してましたよね。

 宇和野はSPWF所属じゃなかったけど、彼は千葉の道場に住んでて、そこで練習させてプロレスを教えてたわけだよ。

――WJとしても選手がほしいというのもあって、お互い利害が一致した感じなんですかね?

 それはわかんない。俺が出した条件っていうのは、俺一人じゃなくて若いヤツにチャンスくれるんだったら行ってもいいよ、と。「その条件を飲んでくれれば営業もプロレスも両方やりますよ」って言ってね。

――結局は谷津さんの条件を飲んだかたちで、谷津さんの入団が決まるわけですけど、やっぱり金銭的な待遇面もかなりよかったんですか?

 いや、そんなことはなかった。そういう話をしたあとで長州さんと焼肉屋でひさしぶりに会って、高智と宇和野連れていったんだけど、長州さんに「おまえの希望はわかった。じゃあ頼むよ」って言われて、「じゃあ、こいつら頼みます」って、それで入ったの。でも実際に入ってみたら、もうあまりにも幼稚で杜撰だったから。経営がな。

――経営が幼稚で杜撰だった、と。

 だから「これは無理だ」って言ったんだよ。もう旗揚げより全然前の段階から。

――旗揚げ前からお手上げ(笑)。有名な話ですけど、WJでは旗揚げ前の12月に屋形船を借りて盛大な忘年会をしたんですよね。なんでも一晩で500万円も使ったという(笑)。

 いやいや、俺なんかは、その前ぐらいから「ダメだこりゃ」って言ってたんだから。

※このあとも、谷津による目ン玉が飛び出るようなWJのトンデモエピソードがてんこ盛り! 潰れるべくして潰れた感もあるマグマ団体WJの真実を『kamipro Special 2009 SPRING』を読んで確かめよう! オリャ!!

【09年3月7日/都内某所にて収録】

(聞き手/阿修羅チョロ)

【kamipro】

■『kamipro Special 2009 SPRING』
4月2日(木)発売  定価860円(本体819円+税)発行/エンターブレイン

●格闘技ばっかり載ってるプロレス雑誌『kamipro』入魂のプロレス特集号第2弾!! 

■こんな時代にあえてプロレス“上流地帯”特集!!

☆まさか! 変態座談会に“平成のプロレス博士”が登場!
中邑真輔with kamipro変態メンバー
「俺は“変態”じゃない!」座談会

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地獄のど真ん中WJプロレスの真実
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ほか、今号も「ブラックジョークがキツいな〜」的な企画満載です!
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