優勝争いは大混戦 甲子園の頂点に立つのは!?=第81回選抜高校野球見どころ

松倉雄太

【Cブロック】西条高vs.PL学園高は1回戦屈指の好カード

 3日目第3試合の西条高PL学園高(大阪)は1回戦屈指の好カード。西条高の秋山は、8日の帝京五高(愛媛)戦で完封。田邉監督も「ベストの状態」と太鼓判を押している。対するPL学園の河野監督は「ウチは(エースの)中野次第」と話す。両校に共通するのは大きな不安材料を抱えているということか。西条高は主将の井下が8日の試合中に骨折し、1回戦の出場は厳しい状況。PL学園高は、11日の神戸国際大附高(兵庫)戦で投打ともに調整の遅れが目に付いた。
 4日目第1試合、南陽工高(山口)は本格派右腕の岩本、前橋商高(群馬)は162センチの左腕・野口と共に2年生投手がマウンドを守る。
 第2試合は花巻東高(岩手)と鵡川高の対戦。西藤、柳田、森のクリーンアップを中心に破壊力のある鵡川高打線が、大会屈指の左腕・菊池に対する。
 第3試合は明豊高(大分)と下妻二高(茨城)が対戦する。明豊高は今宮ら昨春の選抜を経験した選手がチームの中心。中でも左腕・野口の成長が著しく、今宮からエースナンバーを奪った。春は初出場の下妻二高は、坂入、時野谷、野村とタイプの違う3投手を擁する。起用法にも注目したい。

【Dブロック】早稲田実高など伝統校が勝利を狙う

 Dブロックは、甲子園の伝統校が多く入った。5日目第1試合は富山商高(富山)と興南高(沖縄)の対戦。昨秋は、終盤に逆転されて敗れたチーム同士だ。2年生6人がレギュラーと若い興南高に対し、富山商高はスタメン全員が3年生というのも興味深い。
 第2試合は天理高早稲田実高(東京)が対戦。近畿チャンピオンの天理高は、看板の打線に加え、不安だった投手陣の成長が著しい。斎藤佑樹がいた3年前が記憶に新しい早稲田実高は、小野田と鈴木の2年生投手がどこまで踏ん張れるか。
 第3試合は56年ぶりの彦根東高(滋賀)と33年ぶりの習志野高(千葉)の対戦。彦根東高の生命線はエースの金子。持ち味のポンポンと打たせて取るピッチングができれば勝機が見えてくる。山田、山下のバッテリーを中心に粘り強さが武器の習志野高。練習試合では関係者以外をシャットアウトする念の入れようだ。
 1回戦最後の6日目第1試合は春夏通じて初出場の利府高(宮城)と東海大会準優勝の掛川西高(静岡)が対戦。利府高は21世紀といっても東北大会ベスト4と実力を兼ね備えている。一方15年ぶりの掛川西高は、浜松商の監督として春夏7回の甲子園を経験した上村監督が率いる。手堅い野球と意外性を持ち合わせたチームだ。

 出場校は18、19日に甲子園練習を行い、開幕に備える。

<了>

2/2ページ

著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント