スペシャルオリンピックス冬季世界大会開幕へ 日本選手団が結団式

岩本勝暁

スペシャルオリンピックス冬季世界大会へ向け、日本選手団の結団式が行われた 【岩本勝暁】

 知的発達障害のある人たちに、さまざまなスポーツトレーニングと競技会を提供しているスペシャルオリンピックス。世界で250万人のアスリートが参加し、180か国以上で活動を展開している。
 2月7日、4年に一度の冬季世界大会がアメリカのアイダホで開幕。その結団式が2日、東京六本木のヤフー株式会社内で行われた。参加したアスリートは男女61名、コーチ・スタッフ26名の計87名。海外で開催される世界大会としては最大の人数の派遣となる。

 結団式には高円宮妃殿下がご臨席され、「一人一人にとって、実り多い、いつまでも心に残る大会となることを期待しております」と選手たちを激励。理事長の有森裕子さんが「素晴らしい会場、素晴らしい応援のもと、素晴らしい結果を伝えてください」とあいさつした。
 その後、日本選手団の志村健一団長から大会の概要が発表され、実際に出場する選手がモデルとなって大会で着用するユニホームを発表。選手団を代表して7名のアスリートと1名のコーチが決意表明を語った。さらにゲストとして出席した2007ミス・ユニバースの森理世、プロ陸上競技選手の為末大が壇上に上がると、会場はひときわ大きくわき上がった。

 選手団はこのあとアイダホに向けて出発。現地では到着から開会式前日までの間、ホストタウンプログラムが実施され、ホームステイをしながらアメリカの文化を学ぶ。また、グローバルユースサミットやスペシャルオリンピックスタウンなどさまざまな文化交流が行われる。大会は14日まで開催され、アルペンスキーやフィギュアスケートなど7つの公式競技を実施。選手たちは日ごろのトレーニングの成果を発揮する。

有森裕子(認定NPO法人スペシャルオリンピックス日本 理事長)

選手へエールを送る有森裕子理事長 【岩本勝暁】

 1994年に国内でSO(スペシャルオリンピックス)が立ち上がり、細川名誉会長が10年間かけて全国を駆け回り、やっと2008年に47都道府県に組織委員会が立ち上がりました。日本が出場した世界大会は1995年夏のコネチカット大会が最初で、これまで支えてきたすべての人たちが喜んでいると思います。選手たちはぜひ、この素晴らしいチャンスをものにして、日々がんばってきた成果を出し、素晴らしい会場、素晴らしい応援のもと、素晴らしい結果を伝えてください。私たちも選手たちとともに会場に行って選手たちのがんばりを見て、生きる力につなげられたらと思います。

吉村梓(アルペンスキー)

 アイダホに行ってみんなと仲良くなりたいです。メダルを取れるようにがんばってきます。

角谷真人(クロスカントリースキー)

 アイダホではメダルを取れるようにがんばってきます。

田畑周平(フィギュアスケート)

 全国の皆さんこんにちは。フィギュアスケートで出ます。よろしくお願いします。フィギュアスケートは男子3名、女子3名、コーチ・スタッフ2名の計8名で行ってきます。チーム全員で励まし合い、助け合い、応援し合ってベストを尽くせるようにがんばります。また、ホームステイ先などの交流の場では、日本の代表として世界の仲間たちと交流を深めたいと思います。

兒島琢也(フロアホッケー)

 私たちホッケーチームはアスリート15名、コーチ4名、計19名で参加します。今回、コーチやボランティアの皆さまのおかげで世界大会に出場することができ嬉しく思っています。勝っても負けても世界のアスリートの皆さんと交流し、英語も覚えたいと思います。一生懸命がんばります。きょうはありがとうございました。

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著者プロフィール

1972年、大阪府出身。大学卒業後、編集職を経て2002年からフリーランスのスポーツライターとして活動する。サッカーは日本代表、Jリーグから第4種まで、カテゴリーを問わず取材。また、バレーボールやビーチバレー、競泳、セパタクローなど数々のスポーツの現場に足を運ぶ。

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