学生&社会人が見せた元日の挑戦=天皇杯・皇后杯バスケ 第1日
星城高が初めてのオールジャパンをつかむまで
星城高の部旗の言葉は「妥協するな!!」。頑張ったかどうかを評価するのは自分でなく周囲、という戒めだ。新チームは全国切符を得て多くの人に評価されたい 【(C)JBA】
星城高は全国高校総体(インターハイ)に16度出場と伝統あるチームで、つい数日前に全国高校選抜(ウインターカップ)で優勝した桜花学園高と同じ愛知県にある高校だ。 ウインターカップは桜花学園高が愛知代表として26年連続出場する以前に5度の出場経験を持ち、インターハイも数年に1度のペースで出場している。
しかし、今季はインターハイ、ウインターカップともに出場できず、オールジャパンが始めての全国大会。
「こういう大きな舞台での経験が少ないメンバーだから、もう何をやっているかもわからない感じだった」と星城高・神谷耕三監督。苦笑いするしかないゲーム展開で、結果は60−90の敗戦となった。
だが神谷監督はむしろ、出場に至るまでの過程を評価していた。
「県予選で桜花学園大、東海地区予選で岐阜女子高に勝てたのは大きな自信になりました」
桜花学園大は東海女子1部リーグの強豪、岐阜女子高に至ってはインターハイベスト8という力の持ち主だ。そう考えると、2年生主体の星城高にとって新チームに向けて得たものは大きい。「上のレベルの大会の雰囲気を感じられたことを、(来季の)インターハイ、ウインターカップにつなげていければと思います」(神谷監督)
鹿屋体育大、“プリンストン・オフェンス”でJBL2撃破!
鹿屋体育大は九州地区予選で九州電力、福岡第一高という社会人と高校のトップチームを破っており、フロックでないことがわかる 【(C)JBA】
“プリンストン・オフェンス”とは、NCAA(全米大学バスケット)で考案された、スペースを使ってサイズの不利を埋める攻撃システムだ。これを取り入れたのは今シーズンから指揮を執る福田将吾コーチ。24歳の若さだが、言葉の壁や先例がないことに試行錯誤しながらも渡米し学んできた情熱と信念を持つ。
チーム戦術のほかにも、対戦相手のスカウティング(特徴分析)も効いた。攻守で活躍した八木勇樹は「これ(スカウティングビデオ)のおかげで相手の特徴はわかっていた」と分析班に感謝の言葉を述べた。
選手はこのスカウティングビデオを、大学から貸与されたiPodタッチでチェックしてきたという。鹿屋体育大は周辺に公共交通機関がなく、なかなか対外試合ができないというハンデがあるが、工夫一つでここまでできるというところを見せてくれた。2回戦の青山学院大戦も必見だ。
<了>