ダイワスカーレット圧逃V! 37年ぶりの牝馬制覇=有馬記念
メイショウサムソン引退レースは8着、武豊「残念です」
引退レースとなったメイショウサムソン、ラストランは8着に終わった 【スポーツナビ】
「最後だからと思って、サムソンにはきつい競馬になるのを覚悟で、ダイワスカーレットを負かしに行ったんですが」とレース後の武豊。王者の意地を見せたかったが、直線では逆に突き放され、現役最後のゴールは8番目での入線だった。
「残念ですけど、思い通りのレースはできました」
武豊は悔しさをにじませながらも、納得の表情。無類の勝負強さを誇ったサムソンも、5歳となった今年は大阪杯6着に始まり、天皇賞・春2着、宝塚記念2着、秋は凱旋門賞10着、ジャパンカップ6着と勝ち星を挙げられなかった。
この成績が示すとおり、全盛期の力はもう残っていなかったのかもしれない。昨年の天皇賞・秋からコンビを組んだ鞍上も「迫力が薄くなっていた」と力の衰えを認めた。
2006年の3歳時に皐月賞、そして日本競馬最高の栄誉である日本ダービーを制覇。翌07年には史上4頭目となる古馬最高峰の天皇賞・春&秋を同一年で連勝。夏の小倉デビュー、地味な血統ながら良血エリートを打ち負かし、常にトップホースとして日本競馬に君臨してきた“雑草魂”メイショウサムソンが、ターフを去る。来春から北海道・安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬となり、4年後に2世がデビューする。
マツリダゴッホ失速12着、蛯名「枠順が大きかった」
史上5頭目の連覇を狙ったマツリダゴッホだったが、リズムに乗れず12着大敗 【スポーツナビ】
「ダイワスカーレットを行かせて、その後ろからの競馬と思っていたんですけど、序盤からズルズルと位置取りが悪くなってしまいました。申し訳ない」と手綱をとった蛯名。先行ポジションから早めスパートが必勝パターンの同馬だったが、この日は1周目のスタンド前でまさかの後方2番手。3コーナーから一気に捲り、直線入り口では3番手グループまで押し上げたものの、「4コーナーではもう手応えがあやしかった」と振り返ったように、直線でさらに伸びる余力は残っていなかった。
なぜ、このようなポジションからの競馬になってしまったのか? 蛯名は「枠順が大きかった。もう少し内だったら、と思いますね」と語る。
前半から速いペースで流れた今年の有馬記念。先行して前めの位置を取りたいマツリダゴッホにとって、コース形態上スタート直後から外めを回らせられる外枠発進から、このペースの中をスムースに追走していくことは難しかったのかもしれない。また、それだけ勝ったダイワスカーレットが厳しい流れを作ったということだろう。
マツリダゴッホは来年も現役続行の予定。牡馬のトップとして意地を見せるためにも、来年は出直しの年となる。
デムーロお手上げ「勝った馬は強い」、スクリーンヒーロー5着
スクリーンヒーロー(8番)は5着、JCからのGI連勝はならず 【スポーツナビ】
「馬はすごく走る気があって、勝ちに行ったんだけどね。勝った馬が強かったよ」
中団やや後ろの1周目スタンド前から、デムーロ&スクリーンヒーローはじわりじわりポジションアップ。3〜4コーナーではさらに押し上げ、直線入り口ではダイワスカーレットを射程に捕らえる2番手の位置。さあ、ここからJCを再現する激走となるはずだったが、逆に突き放されて掲示板確保がやっとだった。
ウオッカらを撃墜した息の長い脚でダイワスカーレットを追い詰めるどころか、後続勢に差されての5着。“止まった”印象のある最後の攻防について、デムーロは「直線の急坂を嫌っていたところもあった」と振り返った。
JCに続く大物狩りとはいかなかったが、骨折による1年の休養もあり、出世が遅れた素質馬。来年5歳を迎えるが、馬はまだまだ若い。JC制覇後に鹿戸雄調教師が「来年の春に大きいところを狙いたいと思っていた馬」と語っていたとおり、真の本格化は09年シーズンだろう。この日の敗戦は、スクリーンヒーローがさらに成長するための大きな糧となるに違いない。