西野監督会見「パチューカは巧みだった」=クラブW杯

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マンUに対してトライをした中で通用した部分はある

――後半の選手交代では、守備の面でどのような指示を出したのか?

 播戸に関しては、運動量や前線からのチェイシングを求めていくことを考えるならば、(交代させずに)置いておいたと思います。ただ、自分のプランの中では2点目をいかに取るかということを(考えていて)、ああいう状況(1−0のリード)の中で守り切るというメッセージは送りたくない。追加点を取りにいくことを、ハーフタイムでもそこは強く(選手に)要求しました。播戸のスイッチに関しては、オフェンシブなメッセージを出しました。あいつは今日はあまりにも決定機を外しすぎたので(笑)。そういう部分のスイッチは、攻撃を考えるならば当然だと思いますし、ある程度ディフェンスのことは目をつぶった上で、点を取りにいくシフト、メンバーチェンジです。二川をやはり使ってみたかった。(時間を)制限しながらも使いたいとずっと思っていたので。あいつのワンプレーは決定的なことができるプレーなので、それを求めたという部分はあります。

(ルーカスに代えて)武井を入れたのはディフェンスですね。意味はワントップ(にして)、(パチューカの)両サイドを消したいというのと、フィニッシュを求めるのではなく、中盤の支配をあの時間、残り15分は(重要視した)。
(両サイドとは15番のモンテスと19番のヒメネスか?)まあ、そうですね。というか、全体的なサイドアタックとフォアチェックを強めたい、最終ラインの裏はスペースがたくさんあったので、山崎1人で十分でした。

――全体として、今大会はどういう教訓を学んだか? その上で今後、新しい選手をJリーグや天皇杯で使っていくつもりか?

 今はまだ3ゲームを含めて整理しているところではないので、教訓と言われても、本当にいいチャレンジをしたことをいろいろ分析する必要があると思います。その上で、生かすことがなければ、この大会に参戦した意味がない。それはわたしだけではなく、チームとして振り返りたいと思います。ただそんな時間はなく、25日にはゲーム(天皇杯の名古屋戦)が入ってきますので、そこにはダイレクトには(クラブW杯での経験を)生かせないと思います。この疲労度の中で、またフレッシュにすべて準備して入っていくことは現段階では厳しいと思っていますし、それを今選手に要求するのも有効ではないと思います。ただただ、(選手の)回復を祈りたいと思います。必ずや、今日のゲームを含めたこの3試合は、ガンバにとってプラスになると思います。

――ガンバの良さが消されたり、現時点での限界が一番出たのがマンU戦だと思うが、今後の方向性としてどのようにやっていくつもりか?

 あのチームに「消された」と言われたら、そういう言い方をされることだけで非常に光栄だと思いますね。逆に良さがどれだけ出せるか、という対戦相手だったと思いますし、消されるのは当然だと思いますね。全く違うグレードの相手とやる中で、トライをした中で通用した部分はもちろんあります。
 得点を取ったシーンは、ああいう点差が離れた中での状況ですが、ヒントはあると思います。ああいう攻撃の仕方、ポゼッションではない、ポゼッションからシンプルな3本以内でフィニッシュに持っていくようなことを、みんな同じ絵を3つ目のボールが動いた先を描けたならば、ああいう成功するシーンがあるということは描いたと思います。それはガンバだけではなくて、いろいろな強豪とやる上では、イメージしたことは実際にああいうこと(得点)になったと思います。あとはトライしようという意図は、イマジネーションがたくさんあったとしても、ほとんど消されていましたよね。でも精度が上がればああいうこと(得点)が起こるということは、実感はできたと思います。

<了>

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