岩田鮮やかイン強襲! “怪物2世”セイウンワンダー父子2代制覇=朝日杯FS
JRAブリーズアップセール出身馬では初のJRA・GI制覇
父グラスワンダーが果たせなかったクラシック制覇へ 【スポーツナビ】
「最初は別の馬を目当てにしていたんですが、どうも脚元が良く見えなくて、この馬に切り替えたんです。最初の価格が800万円からスタートして、2倍くらいの値段で落とせるだろうと思っていたんですが、さすがに専門家はみんな良く見ていまして(笑)。こちらも意地になってでも、と思って落札しました(笑)」
過去にはGI桜花賞(1995年ワンダーパヒューム)を制している65歳ベテラントレーナーの確かな相馬眼と意地が、セイウンワンダーをめぐり合わせた。そして、新馬戦こそ2着に敗れたものの、期待通りの走りで未勝利戦→GIII新潟2歳Sを連勝、さらに3連勝となるこの日の勝利で、夢の牡馬クラシック制覇への道をまた一つ大きくしたのである。
“怪物”“ワンダーホース”と呼ばれた父グラスワンダーは当時、外国産馬にクラシック出走が認められておらず、また骨折のために春クラシックシーズンを棒に振った。その父の分まで孝行息子が来春のクラシックを鮮やかに駆け抜ける。“怪物2世”ここに襲名だ。
※JRA育成馬の前身である抽選馬を含めると、JRA・GI勝利は01年阪神JFのタムロチェリー以来となる通算9勝目。牡馬としては初勝利。
「この“ひと叩き”で来週はもっと期待できるんじゃないかな」
復帰即GI勝利とはいかなかった武豊だが、「右腕は大丈夫」と全快をアピール 【スポーツナビ】
この日が11月23日の落馬負傷以来、約1カ月ぶりの復帰レース。その初戦でいきなりのGI優勝――ユタカならやってくれるのではないか。そんなファンの後押しも受けて1番人気の支持。直線を外から伸びた時には一瞬突き抜けるかと思われたブレイクランアウトだったが、前を行くセイウンワンダーを捕らえることはできず、さらに外のフィフスペトルに差され3着。GI勝利で自らの快気祝いとすることはできなかった。
「外、外を回ってきたんですが、ちょっと大事に乗りすぎたかな。それに仕掛けもちょっと早かったかもしれない。でも、“資格”のある馬ですよ」とレース後の武豊。コース取りや仕掛けのタイミングを悔やんだものの、資格=GIを勝てる素質のある馬、とブレイクランアウトには変わらぬ高い評価をした。
一方、自身については「右腕は大丈夫です」と、レースにも支障がないとコメント。次週、2008年最後のJRA開催、そして28日のグランプリ有馬記念(メイショウサムソンに騎乗)に向けて、「きょうは人間が休み明けだったけど、この“ひと叩き”で来週はもっと期待できるんじゃないかな」と、笑顔で全快をアピールした。