ビジュアルと実力を兼ね備えたスキー界の華、福田修子
大きな活躍を見せたトリノ五輪
美しさと強さを持ち合わせる福田修子。3度目の五輪を目指す 【Photo:築田純/アフロスポーツ】
新種目に採用されたノルディックスキー距離の団体スプリント。「ここまで来たら楽しもう」。夏見の言葉に、福田も背中を押された。10チームで争われたファイナル。夏目の1周目は最下位と出遅れたが、2周目の福田が7位まで追い上げた。2周目の夏目が粘り、一時は4位まで順位を縮める。最後はカナダや北欧勢に屈したが、女子クロスカントリーでは史上初となる8位入賞の快挙を成し遂げた。
福田は続く女子20キロリレーでも、周囲を驚かせる快走を見せる。第1走者としてレース序盤から先頭集団に食らいつくと、脅威のスパートを見せてトップで石田正子につないだのだ。結果は12位だったが、福田の活躍が日本のノルディックスキー界に光を与えた。
「イメージした通りの走りができた。ワールドカップを6年やってきたが、いいときもあれば、悪いときもある。大事な五輪でいい走りができて、満足しています」
引退を考えるも現役続行へ
大鰐高に進学してその才能はさらに開花。インターハイの10キロフリーで優勝し、一躍、その名を全国に広めた。卒業後は弘果SRCに入り、2001年全日本選手権の距離複合で優勝。さらに30キロクラシカルも制し、2002年のソルトレーク五輪に出場した。しかし、初めてのオリンピックは苦い思い出が残った。レース途中で転倒して棄権――。それだけに、トリノ五輪にかける思いは人一倍強かった。
一度は引退を示唆したが、現役続行を決意。2007年の長春アジア大会では、ウインタースポーツの顔として旗手を務めた。その年に弘果SRCを退部し、新しい環境を求めて再スタート。8月にはサポーター会員からの支援やスキー場との提携によって選手の強化費を捻出(ねんしゅつ)する「Gold Peaks Project(ゴールドピークスプロジェクト)」が立ち上がり、福田も心強いサポートを得ている。
今年11月22日、スウェーデンのイエリバレで、今シーズンのワールドカップが開幕した。福田は女子10キロフリーで47位だったが、終盤は粘りのある走りを見せた。
3度目のオリンピックに向けて、視界は良好だ。舞台はバンクーバーの北に位置するウィスラー。ビジュアルと実力を兼ね備えた福田が、スキーの聖地で輝く日は近い。