シャラポワ、4大大会連続優勝なるか=全豪オープン展望

武田薫

全豪オープンで4大大会連続優勝を狙うシャラポワ 【Getty Images/AFLO】

 テニス・全豪オープン(15日開幕)の男女シングルス組み合わせ抽選が12日に行われ、日本男子勢として2年ぶりに4大大会シングルス出場を果たす添田豪(ミキプルーン)は1回戦で第9シードのマリオ・アンチッチ(クロアチア)と対戦することが決まった。女子勢では、第23シードの杉山愛(ワコール)がソフィア・アルビドソン(スウェーデン)と対戦するほか、中村藍子(ニッケ)が第32シードのエレニ・ダニリドゥ(ギリシャ)と、森上亜希子(ミキハウス)がツベタナ・ピロンコバ(ブルガリア)とそれぞれ2回戦進出を争う。
 男子は、前回覇者で世界ランク1位のロジャー・フェデラー(スイス)が第1シード。女子は世界ランク1位のジュスティーヌ・エナン・アーデン(ベルギー)が欠場したため、同2位のマリア・シャラポワ(ロシア)が第1シードに入っている。テニス界にとどまらず幅広い活躍を見せているシャラポワは、昨年の全米オープンを制しており、今大会には4大大会連続勝利をかけて臨む。

男子はフェデラー優位 初挑戦の添田に注目

 男子シングルスは、2004年2月から世界ランクトップに君臨し続けているフェデラーが軸となる。昨年は“クレーコートの王者”ラファエル・ナダル(スペイン)に全仏オープン制覇の夢を阻まれたが、2007年は“今年こそ”の年間グランドスラム制覇を狙う。まずは全豪2連覇を達成し、偉業への第一歩を着実に踏みたいところだ。打倒フェデラーの筆頭候補となる第2シードのナダル、第3シードのニコラ・ダビデンコ(ロシア)は、ともに今年初戦のメディバンク国際を負傷により途中棄権した。今大会への調整に務めるための判断だったものの、どこまで調子を戻せるか不安は否めない。一方、第4シードのイバン・リュビチッチ(クロアチア)、第5シードのジェームス・ブレーク(米国)は、それぞれ前哨戦となったカタール・オープン、メディバンク国際を制して勢いに乗っている。
 昨年は、2003年のジュニア王者マルコス・バグダディス(キプロス)が台風の目となり、ノーシードから決勝へ駒を進める大活躍を見せた。今年もフェデラー優位は動かないものの、上位シード陣に不安があるだけに、シンデレラボーイが登場する可能性もある。日本からは、2005年の鈴木貴男以来2年ぶりに添田が挑戦する。昨年9月、ウズベキスタンで行われたアジア選手権で優勝し、今大会本戦の出場権を獲得した。初戦の相手となるアンチッチは、今年初戦のハイネケン・オープンで準優勝とまずまずの滑り出しを見せている。苦戦は必至だが、日本男子テニス界のホープが金星奪取を目指してどこまで戦えるか注目される。

女子はシャラポワ、モレスモが中心

 女子シングルスは、強豪が相次いで欠場したため、上位シード陣同士の争いとなりそうだ。昨年12月、元世界ランク1位で3度のグランドスラム優勝を誇るリンゼイ・ダベンポート(米国)が妊娠のため欠場すると発表。さらに年が明けると、現世界ランク1位で昨年準優勝のエナンが出場辞退を申し入れた。そんな中、優勝争いの軸となりそうなのが、第1シードのシャラポワと、第2シードで全豪2連覇を狙うアメリ・モレスモ(米国)だ。さらに、スベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)、キム・クライシュテルス(ベルギー)が続く。ただし、戦国時代が続いている女子シングルスでは上位勢に大きな力の差はない。たとえば第11シードのエレナ・ヤンコビッチ(セルビア)は、年明け初戦のASBクラシックを優勝し、メディバンク国際では、マルチナ・ヒンギス(スイス)、モレスモ、ニコラ・バイディソバ(チェコ)を倒すなど調子を上げている。4年連続で2回戦負けを喫している全豪ではあるが、壁を突破する勢いがありそうだ。
 また日本勢は、杉山、中村、森上に上位進出の期待がかかる。杉山は昨年、全豪で初戦敗退、全仏オープンも2回戦で敗退。しかし全仏では、ダニエラ・ハンチュコバ(チェコ)とのダブルスで準優勝を果たして、存在をアピールした。さらにウィンブルドン選手権では、3回戦でヒンギスを破って16強入り。全米オープンでもエナンに敗れたとはいえ3回戦進出を果たしている。中村は昨年の全豪で自身初の4大大会3回戦進出を果たした。また、12月に国内で行われたAIGオープンで準優勝を果たすなど、着実に力をつけている。森上も昨年の全仏オープン初戦で第3シードのナディア・ペトロワ(ロシア)を破る金星を挙げるなど、世界の舞台でも力を発揮している。今大会では2回戦に進めば、クライシュテルスとの対戦が濃厚。再び大物食いを見せてもらいたいところだ。
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著者プロフィール

宮城県仙台市出身。男性。巨人系スポーツ紙の運動部、整理部を経て、1985年からフリーの立場で野球、マラソン、テニスを中心に活動。新聞メディアや競技団体を批判する辛口ライターとして知られながら、この頃は甘くなったとの声も。テニスは85年のフレンチオープンから4大大会を取材。いっさいのスポーツに手を出さなかったが、最近、ゴルフを開始。フライフィッシングはプロ級を自認する

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