オグシオがペア解消「目標が変わってしまった」=会見要旨
ロンドン五輪への意識の違い
小椋 4年後のロンドンを目指したい気持ちを、率直に伝えました。
潮田 三洋電機に入ったきっかけはオグッチ(小椋の愛称)と一緒に組んで、北京五輪に出場するという目標をもって、ずっと戦ってきました。北京が終わった時点で、それ以上先のことを考えられなかった。自分の中では目標も達成しましたし、区切りがついたというのが正直な気持ちで、その先のロンドンへの意欲がわいてこなかった。でも、バドミントンは好きだし、まだやれる自信もあるので。今まではオグッチに頼っていましたが、今度は自分が(どこまで)できるのか、挑戦をしていこうと思いました。バドミントンでの目標が変わってしまったのが一番大きな部分で、それならペアを解消して、それぞれで頑張っていこうと話しました。
喜多監督 2人は五輪に(アテネと北京の)2回チャレンジしました。相当練り上げてやってきた中で、次のロンドンを考えたときに、何の刺激もなくやっていくのは良くない。それぞれの良さも弱点も知り尽くしたなかで、もう一つレベルを上げていくためには、みなさんの期待を裏切ることになるとは思いますが、このまま継続していくのは、果たしていいのかという戦略的な話もありました。「オグシオ」としてのチャレンジは今まで精いっぱいやってきた。新たな小椋久美子選手、潮田玲子選手のチャレンジをしていこうと。タイミングとしても、この辺りかということで決定した。
――新しくペアを組むパートナーの予定は?
喜多監督 それは試してみないと分かりません。最初は合わなかったペアが、熟成されて合うこともありますし。新たなチャレンジをして、オグシオ(ペアを)バラしても同じくらいの強さのペアができることは、日本にとってもいいことだと思います。ただ、今のところは(新しいパートナーの名前は)出てきていません。
自分が一番したいことの模索
潮田 2〜3年後にペアをまた組んで目指すかもしれませんし、それは分からないことです。団体戦でチームで組む可能性もありますし、これから一生組まないというわけではないです。
(引退か現役か迷ったのは)ほかのことに興味があるというよりも、自分が一番何をしたいのかが分からなかった。そしていろんなことを考えたときに、人に感動を伝えられるのは選手の立場が一番じゃないかと思いました。そう思ったときに、自分がその立場にまだいられるのに、気持ちが苦しいからって引退するのは寂しいと思いました。それから、チームメートの多谷(郁恵)さんが、1年前にケガをして、復帰してからは「バドミントンができることがすごくうれしい」と言っていました。そういう姿を見たときに、バドミントンができるのにやめるのは申し訳ないし、応援してくださる方の期待にもできるだけ応えたいという気持ちもあって、現役続行を決めました。
互いに「感謝」 別ペアとして、新たな関係へ
小椋 私はケガが多くて、いつも(その回復を潮田に)待たせてばかりでした。私自身もツライですが、待つ方(潮田)もつらいのに、つらい顔をせずに練習の姿勢で私を励ましてくれていたのを今でも感謝しています。自分にとっては励みになる存在です。玲ちゃんだったから今まで頑張ってこられました。
これからはペアを組むことが団体戦でしかないと思うのですが、お互いが刺激し合って、高めあって、一緒に練習できたらいいと思います。
潮田 五輪を目指すきっかけはオグッチの一言でした。バドミントン人生を変えてくれたのはオグッチで、感謝しています。これからは対戦することもあるかもしれませんが、(所属の)三洋電機は、「みんなで頑張ろう」という雰囲気があるチームです。パートナーは変わりますが、客観的にお互いを見て悩みを相談したり、今までとは別の意味でサポートをし合ったりして、頑張っていこうと思います。
<了>