フィギュアスケート、中国杯見どころ
大会前に衝撃のニュース、男子シングル
中国杯で優勝候補筆頭だった高橋の欠場で、男子の優勝争いは混沌(こんとん)としてきた。表彰台の真ん中に顔を出してきそうな実力者を挙げると、欧州選手権覇者のトマシュ・ベルネル(チェコ)、シニア1年目の昨季に次代を担う期待感を周囲にアピールしたステファン・カリエール(米国)あたりか。ベルネルはGP大会前哨戦となったネーベルホルン杯(9月25日〜28日)に出場したが、ジャンプの不安定さを露呈させて織田信成(関西大)との勝負に敗れ、4位と振るわなかった。それから1カ月半後となる今季GP初戦でどこまで調子を上げてきているかが鍵となりそうだ。今季4回転に挑戦するのか分からないが、トリプルアクセル(3回転半)や3回転の連続ジャンプなど、ジャンプの質がよく、安定しているカリエールは初のGPファイナル進出を目指して表彰台を狙ってくるに違いない。
ベテラン中庭の演技力にも期待
19歳のボロデュリンは、今季の浅田真央のコーチ、タチアナ・タラソワが指導しているロシア期待の新鋭で、昨季の世界ジュニア選手権銀メダリストだ。6種類の3回転ジャンプをこなし、スケーティングの美しさにも定評がある。才能は十分に備わっているので、シニアデビューの今季、一気にブレークする可能性もあるかもしれない。
いずれにしも、今季、ニコライ・モロゾフコーチから離れ、振付師も変えた新生・高橋が欠場して見られないのは寂しい限りだ。