曙と189キロの浜亮太が会見=全日本プロレス

高木裕美

対戦を前に握手をかわす浜(左)と曙 【高木裕美】

 11月3日の全日本プロレス「プロレスLOVE in 両国Vol.6」(両国国技館)でデビューする元大相撲「北勝嵐」こと浜亮太(189キロ)が28日、都内・九段下の全日本事務所で会見。デビュー戦の相手を務める元横綱の曙とともに意気込みを語った。

 浜は94年に八角部屋に15歳で入門。95年に初土俵を踏み、頭でぶちかます突き押しを武器に99年の名古屋場所で序二段優勝。01年の秋場所では幕下優勝し、同年の九州場所で自己最高位の東幕下6枚目に昇進したが、今年の夏場所後に引退し、「デカイものフェチ」で知られる武藤敬司社長率いる全日本に入門した。

189キロの“弟”浜に曙がエール

デビュー戦を前に早くも曙と対戦(!?)した浜 【高木裕美】

 曙とは大相撲時代に一門が同じだったこともあり、けい古をつけてもらったり、一緒に飲みに連れて行ってもらったりと公私ともに世話になった間柄。そんな大先輩と、両国という大相撲の聖地でデビュー戦を戦えることに浜は「感無量です。当日は持っている力以上のものを出したい」と気合をみなぎらせた。

 日本人レスラー最重量となる体重は189キロまでは確認できたものの、その後は「はかる場所がない」ため未確認ながら、順調にウェートアップを遂げている様子。プロレスの技については「そこそこ」とまだまだ修行中ではあるものの、相撲時代には対戦を果たせなかった曙との一騎打ちに向け、「思い切り当たって砕けるだけ」と全身で思い切りぶつかっていく覚悟を決めた。

 一方、デビュー戦に向けて金髪に染めた浜を見た曙は「相撲界から解放されるとやりたくなる。オレも最初の頃は毎月、色を変えたりしていたので、今日見て弟みたいだと思った」と笑顔を見せた。
 自身も大相撲からK−1ファイターに転向後、05年には“武藤親方”を慕って全日本の巡業に帯同。「武藤部屋」でプロレスのいろはを学んだ経験があることから、浜の気持ちは誰よりも理解できる。
 今まさに自分と同じ道を歩もうとしている“弟”の姿に、曙は「浜ちゃんのプロレス人生の第一歩の相手が自分で良かった。ファンの期待に応えられるような試合をしたい」と、大相撲の、そしてプロレスの先輩として真っ向から胸を貸すことを約束した。

曙が全日マット継続参戦を熱望

台湾でのタッグ結成を前にLOVEポーズを決める武藤(左)と曙 【高木裕美】

 また、この日は11月16日に台湾・台北アリーナで行われる「2008 プロレスLOVE in Taiwan」の全対戦カードも発表され、メーンイベントでは武藤敬司、曙、カズ・ハヤシ組がTARU、ゾディアック、“brother”YASSHI組と対戦することになった。

 台湾でプロレス興行が開催されるのは実に22年ぶり。しかし、かつて相撲の巡業が行われた際には、今回の会場となる台北アリーナが満員になったという実績もあり、「プロレスというジャンルよりも横綱・曙の方がネームバリューが大きいのでは」(武藤)との思いから、現地でも人気の高い元第64代横綱・曙の参戦が決定した。

 武藤と曙がタッグを組むのは、2人で優勝を果たした05年末の「世界最強タッグ決定リーグ戦」以来、実に3年ぶり。しかし、「ハッスル」では、武藤の化身グレート・ムタと曙にそっくりなボノちゃんが昨年末に“親子タッグ”を組んでいることもあり、ブランクに関しては2人ともまったく不安はない。
 武藤とのタッグというビッグチャンスを得た曙は「これを機に、曙というレスラーとして、もっともっと成長した姿で上がりたい」と全日本マットへの継続参戦を熱望。この言葉を聞いた武藤も「プロレスは点より線。ちょっとした親子関係もあるし」と3日の両国、そして16日の台湾興行への参戦をきっかけに、曙と新たなストーリーをつむいでいきたい意向を示した。

 台湾興行では全6試合が行われる予定(試合順未定)。オープニングではステージ上から地元のミュージシャン、ウー・パイが演奏を行い、武藤がプロモーション・ビデオに出演したオリジナルソング「閃光魔術」が披露される予定だ。

■「2008 プロレスLOVE in 両国 Vol.6」
11月3日(月・祝) 東京・両国国技館 開場15:00 開始16:00

<三冠ヘビー級選手権試合>
[王者]グレート・ムタ
[挑戦者]鈴木みのる
※第38代王者、初防衛戦

<世界ジュニアヘビー級選手権試合>
[王者]丸藤正道
[挑戦者]近藤修司
※第27代王者、2度目の防衛戦

<6人タッグマッチ>
小島 聡、KAI、大和ヒロシ
天山広吉、内藤哲也、裕次郎(いずれも新日本プロレス)

<6人タッグマッチ>
諏訪魔、カズ・ハヤシ、土方隆司
TARU、平井伸和、“brother”YASSHI

<シングルマッチ 浜亮太デビュー戦>

浜 亮太

<6人タッグマッチ>
西村 修、エルビス・シャープ、シェーン・チャング
太陽ケア、NOSAWA論外、MAZADA

<3WAYマッチ>
荒谷望誉
渕 正信
菊タロー

<シングルマッチ>
真田聖也
征矢 学

※試合順未定

■全日本プロレス「2008 プロレスLOVE in Taiwan」
11月16日(日) 台湾・台北アリーナ

<6人タッグマッチ>
武藤敬司、曙、カズ・ハヤシ
TARU、ゾディアック、“brother”YASSHI

<6人タッグマッチ>
小島 聡、KAI、大和ヒロシ
太陽ケア、NOSAWA論外、MAZADA

<タッグマッチ>
西村 修、真田聖也
鈴木みのる、TAKEMURA

<シングルマッチ>
近藤修司
征矢 学

<タッグマッチ>
諏訪魔、シーサーマスク
ジョー・ドーリング、ブードゥーマスク

<シングルマッチ>
荒谷望誉
浜 亮太
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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