インテルとユーベの一騎打ちか 08−09シーズン展望=セリエA

ホンマヨシカ

3度目の対戦となったインテルとローマのスーパーコッパ

今季も優勝候補筆頭のインテル。モリーニョ新体制に注目が集まる 【Photo:アフロ】

 北京五輪の話題でほぼ独占状態だった、8月のイタリアスポーツ界。その五輪が閉幕した24日の夜、バトンタッチをするかのように、今シーズンのイタリアサッカー最初の公式タイトルである、スーパーコッパ・イタリアーナ(セリエAカンピオナートの勝者とコッパ・イタリアの勝者による対戦)が行われた。
 今回で21回目となる、このタイトルだが、この夜の試合を含めて3シーズン連続で、インテル(スクデット勝者)とローマ(コッパ・イタリアの勝者)の間で争われることとなった。インテルにとっては、ミランとのデルビーミラネーゼ(ミラノダービー)、そしてユベントスとのデルビーイタリアーナ(イタリアダービー)に続いて、新たなダービーマッチ誕生と言っても良さそうだ。

 この試合の両チームのスターティングメンバーは次のとおり(ポジションはいずれも右から)。

インテル(4−3−3)
GK:ジュリオ・セーザル
DF:マイコン、ブルディッソ、カンビアッソ、マックスウェル
MF:サネッティ、スタンコビッチ、ムンタリ
FW:フィーゴ、イブラヒモビッチ、マンシーニ、

ローマ(4−5−1)
GK:ドーニ
DF:カセッティ、メクサス、ファン、リーゼ
MF:デロッシ、ピサロ、アクイラーニ、ペッロッタ、バチスタ
FW:ブチニッチ

 インテルはコルドバ、サムエル、マテラッツィ、キブーと4人のDFが負傷から復帰していないため、MFのカンビアッソをセンターバックで起用した。今オフでのテストマッチで、本来の切れが戻ってきていることをアピールしていたアドリアーノは、13日の練習中に右足太ももを痛めてリタイア。しかし、心配されたほど深刻な負傷ではなく、遅くともチャンピオンズリーグ(CL)の初戦までには復帰できる見込みだ。
 対するローマは、まだコンディションが十分でないトッティがサブに入り、レアル・マドリーから移籍してきたばかりの新戦力バチスタが左サイドのオフェンシブハーフとして先発起用された。中盤の構成は「2−1−2」で、真ん中にアクイラーニが入っている。

 開始のホイッスルの前に、今月17日に亡くなったローマ会長フランコ・センシに対する1分間の黙とうがささげられた。
 第2次世界大戦後のローマの会長では、1982−83シーズンにローマを41年ぶりのスクデット(セリエA優勝)獲得に導いた時の会長だったディノ・ビオーラと並んで、ロマニスタ(ローマのサポーター)に最も愛された会長だと言えるだろう。享年82歳、合掌。

早くも最初のタイトルを獲得したモリーニョ

 さて試合だが、前半はインテルが押し気味に進め、前半18分にムンタリのゴールでインテルがリード。その後も優勢に試合を進めるが、追加点を奪えず1−0のインテルリードのまま前半が終了する。後半もインテルのペースで試合が進むが、後半14分にデロッシが、ミドルレンジからのシュートを決めて同点にすると、試合展開も互角になる。

 インテルは後半21分にフィーゴに代え、イタリア国籍を取得したばかりの弱冠18歳、バロテッリを投入。この交代が功を奏して、後半38分にバロテッリがゴールを決めるが、ローマも終了間際にブチニッチのゴールで再び追いつき、試合は延長戦を経てPK戦に突入する。結局、インテルが8−7でこれを制し、4度目のスーパーコッパを獲得した。モリーニョはインテルでの初の公式戦で、イタリアでの公式初タイトルを獲得したことになる。試合後のインタビューでモリーニョは「スーパーコッパを獲得できたのは、前監督のマンチーニがスクデットを獲得してくれたからだ」として、前監督を持ち上げた。

 この試合のインテルで目に付いた選手を挙げると、ディフェンスの前でピルロばりのゲームメーカーを演じたスタンコビッチ、パワフルな幅広い動きで中盤を駆け回ったムンタリ、ゴールだけではなくセットプレーやドリブルに非凡な才能を見せつけたバロテッリなどであろうか。ガーナ出身でイタリア国籍を認められたバロテッリは、今後イタリア代表として出場できるわけだが、どのカテゴリーから選出されるのか見ものだ。もしかするとマルチェッロ・リッピは、親善試合でいきなりA代表に選出するかもしれない。
 この2選手以外にも、的確なポジショニングでそつなく最終ラインをまとめたカンビアッソ、チームが苦境に立たされると、いつものように持ち前のキープ力を生かしたドリブル突破で活を入れるキャプテン・サネッティも好調ぶりを見せつけた。

 ローマではディフェンシブハーフの2人、デロッシとピサロ、右ウイングバックのカセッティが目に付いた。後半40分、ペッロッタに代わって127日ぶりの出場を果たしたトッティについては、コンディションはまだまだ50パーセント、といったところだろうか。新戦力のバチスタとリーセ(リバプールから獲得)も、ローマの戦術に溶け込むまで、もう少し時間がかかりそうだ。

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著者プロフィール

1953年奈良県生まれ。74年に美術勉強のためにイタリアに渡る。現地の美術学校卒業後、ファッション・イラストレーターを経て、フリーの造形作家として活動。サッカーの魅力に憑(つ)かれて44年。そもそも留学の動機は、本場のサッカーを生で観戦するためであった。現在『欧州サッカー批評』(双葉社)にイラスト&コラムを連載中

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