横浜F・マリノス木村新監督「自信を取り戻してあげたい」

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ひとつでも上の順位を

桑原監督解任を受け、横浜F・マリノスの新監督となった木村浩吉氏 【スポーツナビ】

登壇者:
齋藤正治(代表取締役)
木村浩吉(新監督)
松本喜美男(新統括本部長)

齋藤 今日の午前中にリリースを出させていただきましたように、本日7月14日付けを持ちまして桑原(隆)監督と結城(治男)コーチに退任していただくことになりました。後任は皆さんご存じの木村浩吉チーム統括本部長です。木村さんにはチームの現場に専念してもらいたいということで、これまでのチーム統括本部長の職からは離れてもらうことにしました。その後任として、育成・普及本部長の松本(喜美男)さんに兼任でチーム統括本部を見ていただくということで新しい体制を組みました。

 正直、私もかなり悩みました。ナビスコカップのガンバ戦で負けてから10日くらいですけども、監督交代という話もある中で、必ずしも監督が交代すれば、すべてうまくいくというわけではない。特にリーグ戦の中断期間に、非常にいい練習ができていたということを、桑原さんからだけではなく、何人かの選手からも聞いていましたので、後半戦の持ち直しを期待していました。それから、中断明けには1勝もできなくて結果も出ていなかったわけですが、中断前の大分や鴨池(京都戦)でのアウエー戦と比べると 内容が変わってきていたので、どこかで転換点が来るのではないかという期待もあったのですが、結果はご存じのとおりです。特に昨日(13日)の新潟戦なんかは、選手のファイトも素晴らしく、点を取ろうという気持ちがひしひしと伝わってきたのですが、ああいう結果(0−1)になってしまって。結局、結果を導くのはチームのリーダーの責任であるということで、昨日、最終的に私が決断して、今日の発表に至りました。

木村 今、16位ということで低迷しているわけですが、今年の頭からチーム統括本部長として、トレーニング、公式戦、ほとんど帯同してきました。その中で前監督がやってきたことが、まったく間違いではないのですが「僕だったら、ここをちょっと変えるな」という部分が何カ所かありました。その部分をこれから(修正して)それをきっかけに、もうちょっと上に行くのではないのかな、ということで、修正の時間はあまりないですが、公式戦をこなしながら、ひとつでも上の順位を狙えるように頑張っていきたいと思います。

松本 育成事業本部と兼任ですが、メーンはチーム統括本部長ということになります。急な展開なので、選手も動揺している部分もあると思います。その意味で、現場のスタッフ、選手が早く集中して、いい試合ができるように、陰ながら努力したいと思います。

自信を取り戻してあげたい

――齋藤代表に、木村さんを後任監督に選んだ理由を

齋藤 シーズンもだいぶ進んでいますので、外部からまったく新しい監督をお呼びして選手を把握してもらうというのはリスクが高いと。交代してもらうなら、やはり内部からということで考えていました。資格(S級ライセンス)を持つ人間はほかにもいるんですが、その中でシーズン初めからチーム統括本部長としてチームをずっと見てきていますので、チームのいいところ、足りないところ、すべて把握できているというのが一番のポイントです。任期としては、今シーズンをまっとうしてほしいということであります。

――齋藤代表に、なぜこの時期の交代なのか。それから木村新監督に、チームの具体的な改善点をフロントの立場から反映させることは難しかったのか

齋藤 さっき申し上げましたが、かなり迷っていました。その中で昨日のゲームを見て、26本のシュートをポジティブに評価する声もありますけれど、一方で26本も打って1本も入らないという見方もあります。そこで私が、その試合を見ながら最後の決断をしたというのが、タイミングについての理由です。

木村 改善点は2、3あると言いましたが、もう少しあります。その中で突出して思っているのが、皆さんご存じのようにマリノスのメンバーを見ると代表が2〜3名、五輪代表候補が3名、U−19の選手もいる中で、他チームと比較しても(選手のレベルは)見劣りしないと思うんですね。そういった選手が勝てないことで多少、自信を失っている。まずはその自信を取り戻してあげたい。今日は実際、全員にその話はしました。話をしたからといって、自信を取り戻せるわけではないですが。昨日の新潟戦を見ても、著名な選手はウチの方にいるわけですし、何かきっかけをつかめば、必ず連勝していく、あるいは連敗をしないチームだと思っています。そのきっかけが、自信かなと思っています。

 それから戦術的には、バランスを崩して攻撃に出て行き、カウンターを食らってピンチになるというのが非常に多い。昨日も26本シュートを打っているんですけど、非常にバランス悪く、(第5節の)名古屋戦も攻めまくったんですが、結局カウンターで0−2という結果になりました。そのバランスのところを修正していきたい。もう2、3あるんですが、それはやりながら。1時間くらいしゃべることになると思います。

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