桑木志帆 チップイン&イーグルで首位発進
【Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images】
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《グリーン=スティンプ:9 1/3フィート コンパクション:23mm》
離れ技はゴーサイン。首位スタートを切った桑木志帆がシグナルと受け止めたのはパー3・5番。第1打がグリーン横のラフへ落ちた。ピンまで12ヤードの第2打は52度を選択。やさしいアプローチではないだけに、「ピンへ寄せればいい」と安全策をとった。しかし、最終戦の闘志がクラブへ伝わったのか、予想以上に強い。ところが、結果はピンに当たり、チップインバーディー。「これは、いいことがあるなぁ」と、前4ホールはすべてパーセーブだっただけに、良い流れの到来を全身で感じたそうだ。
この日のハイライトといえば11番。残り226ヤードの第2打を3Wで2オンに成功した。ピン奥5メートルから、カップ2つ分のスライスラインを読み切り、鮮やかなバーディー奪取を披露し、ギャラリーから驚きの声があがる。今季13回目のイーグルは年間最多記録(※2020-21の統合シーズンは除く)だ。チップインを決めることも多く、ダイナミックなプレーが特性。
また、イーグル奪取は自身のこだわりにもなっている。「スコアが2つ減る。すごくラッキーだと思うでしょう」といわれれば、なるほどだ。実はこの日、年間イーグル数で2位の竹田麗央がパー5・9番で2オンパットを決め、首位に並ばれた。その直後だけに、ランキング1位に賭ける強い心情が伝わってくる。
「とりあえず、トップをキープしたけど、竹田さんがいる。私とは飛距離が違いますよ」と、ごく控えめに語っているが、13番でもアドバンテージを2差に広げるチャンスだった。ところが、2.5メートルのイーグルパットを決めることはできない。「きょう唯一の心残り。本当に残念です。一日、2イーグルのチャンスって、それほどありませんからね」と苦笑した。
【Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images】
開幕直前、吉報を耳にしたこともプラス材料。年間目標のひとつにした12月8日、Hitachi 3Tours Championshipの代表に選出された。「去年はプロアマだけの出場。だから今年は絶対に出る-と奮起材料にしました」。ちなみに、自身の心技体の理想を100とすれば、「23年が40。今年は60ぐらいになった」と分析する。
さらなる上積みには当然、公式競技のタイトルは必然だろう。年間イーグル数争奪戦も含め、見どころがより増えた。
(青木 政司)
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