桑木志帆 チップイン&イーグルで首位発進

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【Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images】

 JLPGAツアー2024シーズン最終戦『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金3,000万円)が11月21日、宮崎県宮崎市・宮崎カントリークラブ(6,497ヤード/パー72)で開幕。絶好のコンディションに恵まれ、大会第1日から大混戦となった。首位は6アンダーの桑木志帆。1打差の5アンダー、2位に原英莉花、年間女王の竹田麗央がつけた。4アンダー、4位タイは鈴木愛、山下美夢有と実力者がひしめく。
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《グリーン=スティンプ:9 1/3フィート コンパクション:23mm》

 離れ技はゴーサイン。首位スタートを切った桑木志帆がシグナルと受け止めたのはパー3・5番。第1打がグリーン横のラフへ落ちた。ピンまで12ヤードの第2打は52度を選択。やさしいアプローチではないだけに、「ピンへ寄せればいい」と安全策をとった。しかし、最終戦の闘志がクラブへ伝わったのか、予想以上に強い。ところが、結果はピンに当たり、チップインバーディー。「これは、いいことがあるなぁ」と、前4ホールはすべてパーセーブだっただけに、良い流れの到来を全身で感じたそうだ。

 この日のハイライトといえば11番。残り226ヤードの第2打を3Wで2オンに成功した。ピン奥5メートルから、カップ2つ分のスライスラインを読み切り、鮮やかなバーディー奪取を披露し、ギャラリーから驚きの声があがる。今季13回目のイーグルは年間最多記録(※2020-21の統合シーズンは除く)だ。チップインを決めることも多く、ダイナミックなプレーが特性。

 また、イーグル奪取は自身のこだわりにもなっている。「スコアが2つ減る。すごくラッキーだと思うでしょう」といわれれば、なるほどだ。実はこの日、年間イーグル数で2位の竹田麗央がパー5・9番で2オンパットを決め、首位に並ばれた。その直後だけに、ランキング1位に賭ける強い心情が伝わってくる。

 「とりあえず、トップをキープしたけど、竹田さんがいる。私とは飛距離が違いますよ」と、ごく控えめに語っているが、13番でもアドバンテージを2差に広げるチャンスだった。ところが、2.5メートルのイーグルパットを決めることはできない。「きょう唯一の心残り。本当に残念です。一日、2イーグルのチャンスって、それほどありませんからね」と苦笑した。

【Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images】

 プロ4年目の今季。JLPGAツアー2勝をあげ、メルセデス・ランキング6位と急上昇を示した。23年、今大会が初出場だったが、21位タイ。「去年は苦しみながらのラウンドでした。そのことを考えれば、できすぎで怖いぐらい。ましてや、きょうはボギー、ダブルボギーがなし。ストレスフリーでした」と前置きし、「去年よりも特に、1Wの飛距離が出ています。20ヤードぐらい。あの時はどうしていいか、わからなかった」と話した。

 開幕直前、吉報を耳にしたこともプラス材料。年間目標のひとつにした12月8日、Hitachi 3Tours Championshipの代表に選出された。「去年はプロアマだけの出場。だから今年は絶対に出る-と奮起材料にしました」。ちなみに、自身の心技体の理想を100とすれば、「23年が40。今年は60ぐらいになった」と分析する。

 さらなる上積みには当然、公式競技のタイトルは必然だろう。年間イーグル数争奪戦も含め、見どころがより増えた。
(青木 政司)
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